「今日は光が見えた」 西武・高橋光成、13連敗で脱出 プロ野球

2025/04/29 20:25 

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 ◇◯西武7―1楽天●(29日・ベルーナ)

 ここ1年あまり、ふびんとしか言いようがなかった右腕が地獄から抜け出した。昨季から通じて球団ワーストの13連敗中だった西武の高橋光成。久方ぶりの白星を挙げ、「しんどかった。もがくことしかできなかった。でも、今日は光が見えた」と喜んだ。

 「とんでもない入り方。どうなるかなと思いました」と振り返った通り、立ち上がりは最悪だった。

 一回、先頭から連続四球で一、二塁。ここからは極端に同じ球種を続ける配球で裏をかき、最後は2死二、三塁で楽天・渡辺佳明をフォークで一ゴロに仕留めた。以降も制球は安定しないながらも耐えて6回無失点。「よく粘れたな」と振り返った。

 この日の投球は、昨季、今季を通じて最も良かったものではない。時に好投しながらも、打線の援護に恵まれず、負け投手となった試合もあった。複雑な思いを抱いたこともあったに違いない。

 だが、球団公式ホームページで「ライオンズの良いところ」について「みんな優しい」と回答していた高橋のチームメートへの感謝は変わらなかった。「ずっと近くにいてくれた。それだけで力になります。自分も応えたかった」と吐露した。

 ゲームセット後、普通なら初勝利や節目の試合などでしか受け取らないはずのウイニングボールをもらい、仲間と喜びを分かち合った高橋。「これは貴重なボールっすね。どのボールよりも」と話した表情には万感の思いがこもっていた。【岸本悠】

毎日新聞

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