「ニューバージョン」の東京ガスでルーキーが躍動 JABA長野大会

2025/04/27 21:32 

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 ◇JABA長野大会決勝(27日・長野オリンピックスタジアム)

 ◇○東京ガス6―3三菱重工East●

 「ニューバージョン」の東京ガスを象徴するように、背番号「24」が躍動した。

 一回、2点を先取した直後、1死一塁で新人の藤沢涼介に打席が回った。甘く入った直球を思い切り振り抜き、左中間へと運んでさらに2点を追加。練習試合も含めて社会人では初の本塁打に「ホッとしました。やっと(最初の)一歩を踏み出せた」と喜んだ。

 横浜国大から入社1年目。当初は社会人の投手の速球に苦しんだが、今大会ではコーチと一緒にタイミングの取り方を練習してきた成果が出た。2ランで流れを引き寄せると、相手がじわじわと詰め寄る中、七回には犠飛で貴重な追加点を挙げ、勝利に貢献した。

 その背中に付けるのは「24」。昨季まで主将を務め、東京ガスの看板選手だった笹川晃平さんの背番号を受け継いだ。「あんなにすごい選手の背番号を継いで全然駄目だったら……」と、最初は重圧もあったという。

 チームは今季、「New Version 2025」というスローガンを掲げる。精神的支柱でもあった笹川さんが抜けた後、新主将に就任した冨岡泰宏を中心に、選手たちは「チームの新しい形」を求めてきた。

 今大会は藤沢を含めて3~5番に1、2年目の選手を並べて戦い抜いた。松田孝仁監督は「(中軸の3人は)チームを背負ってよくやってくれた。周りのベテランも彼らがやりやすい雰囲気を作ってくれている」。

 藤沢は最高殊勲選手賞に輝いた。「この先も試合に出続けられる保証はない。まずは自分の成長を止めないようにやっていきたい」と誓った。【円谷美晶】

毎日新聞

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