「妊活」は会社ぐるみで 研修広がる 「ユニ・チャーム」など実施
「妊活」は会社ぐるみの時代に――。企業や団体などで、性や妊娠に関する正しい知識を学ぶ研修を開く動きが広がっている。職場では触れにくいテーマと思われがちだが、若い世代は「職場の理解が深まる」と前向きに捉えているようだ。
「20代後半から妊娠率が下がる」「不妊の48%は男性に原因がある」「受診に『早すぎ』はない」。スクリーンには受精のしくみから不妊治療の検査費用までさまざまな資料が次々に映し出された。
東京都中央区の「パナソニックコネクト」で開かれた研修には、男性21人、女性18人が参加した。うち3割は管理職だ。
衛生用品の大手メーカー「ユニ・チャーム」が今年4月から始めた企業向け研修を取り入れた。講義では、正しい知識がキャリアプランやライフプランの選択肢を増やすと解説され、妊活には「子どもを持たない」という選択も含まれると説明された。
◇聞きにくい話もオープンに議論
パナソニックコネクトの西川岳志代表取締役(53)は、自らも不妊治療の経験があるが、当時は上司などの理解が得られず、つらい思いをしたという。
「今は共働きで、海外赴任するケースも増え、人生は一本道ではない。ちゃんとサポートする会社でありたいので、オープンに議論していきたい」と妊活研修を導入した背景を説明した。
研修はセンシティブな内容も含む。職場で取り上げるのは難しいのではないかと聞くと、西川さんは「若者世代はあまりそう思っていないようだ。アンコンシャスバイアス(無意識な思い込み)も取り払っていきたい」と話した。
参加した30代女性は「サポートする側が温かく見守ってくれるのを感じ、ありがたい。全員に受けてほしい」、管理職の30代男性は「ストレートに聞きにくい内容だからこそ、みんなのリテラシー(知識)を上げていくことが大事だとわかった」とそれぞれ評価した。
◇新入社員もキャリアパスの一部に
若い世代が性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康を管理することを「プレコンセプションケア(プレコン)」と呼ぶ。国は2022年度から自治体に「性と健康の相談センター」の設置を促すなど推進に力を入れている。
こうした流れを背景に、企業や団体でも、社員らの妊活やプレコンに向き合おうとする動きが広がっている。
法人向けの福利厚生サービスを提供する「ファミワン」(東京都渋谷区)は18年から、ヘルスケアに関するセミナーを企業などに提供してきた。
テーマはこれまで「不妊治療と仕事の両立について」が多かったが、2、3年前からはその一歩手前のプレコンや妊活について開いてほしいというニーズが高まってきたという。愛知銀行と中京銀行を傘下に持つ「あいちフィナンシャルグループ」(名古屋市)は今春、新入行員を対象にした教育研修に組み込んだ。
ファミワンの石川勇介社長は「若手社員は妊活研修をキャリアパスの一部として捉え、管理職は支える立場として必要な知識と考えているようだ。テーマの特性としても、研修に位置づけた方が誰もが参加しやすいのではないか」と話している。【太田敦子】
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