「関税収入で所得税が大幅減」トランプ氏、改めて持論 懐疑的な声も

2025/04/28 10:07 

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 トランプ米大統領は27日、自らの交流サイト(SNS)に「関税が入ってくることで、多くの人々の所得税が大幅に減り、完全に撤廃されるかもしれない。焦点となるのは、年収20万ドル(約2800万円)未満の人々だ」と投稿し、関税引き上げによる歳入増を米国民の所得税減税の財源に充てるとの持論を改めて展開した。

 トランプ氏はSNSに「外国歳入庁が始動する!」とも投稿。所得税などを徴収する内国歳入庁(日本の国税庁)とは別の、関税に特化した新たな徴税機関の設立について改めて意欲を示した。

 トランプ氏は海外からの輸入品に対して課す関税を大幅に引き上げることで関税収入を増やし、大型の所得税減税を実行するとの持論を掲げている。

 ただ、連邦政府の歳入全体に占める関税収入の割合は過去70年で2%を上回ったことはない。関税を引き上げても、歳入全体の約50%を占める個人所得税の代替とするのは不可能との見方が支配的だ。

 そもそも、関税は米小売業者が販売価格に転嫁し、消費者が負担する可能性が高い。関税で消費者の負担を増やして所得税減税をしても、「全体として家計負担に意味がない」(エコノミスト)との見方が少なくない。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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