豊田織機、株式非公開化を検討 トヨタ創業家などから資金支援検討

2025/04/26 11:05 

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 豊田自動織機は、株式非公開化の検討に入った。同社関係者が26日、取材に「資本政策を含めて検討している」と明らかにした。トヨタ自動車やグループ会社が出資して特別目的会社(SPC)を立ち上げ、豊田織機の既存株主から株式の公開買い付け(TOB)により株式を取得する案などが浮上している。

 豊田織機の25日時点の時価総額は約4兆3000億円で、買収総額はプレミアム分を上乗せすると5兆円を上回る可能性がある。巨額の資金が必要になることから、トヨタの豊田章男会長を含む創業家のほか、3メガバンクなど金融機関からの支援も検討している。

 一方、豊田織機もトヨタ株式の約9%(約3・8兆円相当)を保有しており、豊田織機の一部株主から資本の有効活用や取締役の構成などに関する株主提案を受けていた。非公開化により経営の自由度を高める狙いもあるとみられる。

 豊田織機は愛知県刈谷市に本社を置く自動車部品や産業車両の大手。章男氏の曽祖父に当たる豊田佐吉氏が1926年に設立した豊田自動織機製作所が前身で、トヨタの源流企業としても知られる。37年に自動車部門がトヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)として独立した。

 創業家や経営陣による自社買収(MBO)を巡っては、セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニエンスストア大手から受けた買収提案への対抗策としてMBOを計画したが、資金調達が難航し断念した例などがある。【大原翔】

毎日新聞

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