「べらぼう」登場の田沼意次 「お国入り」文書の後半見つかる
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主要登場人物で江戸幕府の老中、田沼意次(1719~88年)が、藩主を務めた遠州相良藩(現在の静岡県牧之原市)に「お国入り」した際の詳細な行動を記した文書が見つかった。昨年、牧之原市内の旧家から見つかった「安永九年 御地頭様御入国萬覚(よろずおぼえ)」のうち、散逸していた後半部分。領主を見物しようと群がる人々を「棒で制してはならない」と指示するなど、領民を大切にする人柄がしのばれるエピソードも記されている。
田沼意次は58年、遠州相良に領地を与えられた。養蚕など殖産興業に努めたが、お国入りは80年4月13~23日の1度きりとされている。同年に完成した相良城を検分し、領内を視察したことは記録に残っているものの、日ごとの行動は「萬覚」が発見されるまで分かっていなかった。
「萬覚」は、庄屋の矢部六郎右衛門が「お国入り」の際に住民の代表役の一人として見聞きしたことを残した非公式のメモ。昨年、市内の旧家が牧之原市に調査を依頼した衣装箱13箱分の古文書類の中から見つかった。4月13日に相良城に入城し、14日に平田寺に参拝したことなどが確認できたが、15日以降のメモは散逸してしまっていた。
今回は、未調査だった衣装箱の中から15日から相良を出立する23日までの部分が発見された。相良城の近くだけでなく、現在の御前崎、菊川両市まで足を延ばして視察したことが明らかになった。赤飯を食べたり、タケノコを見学したりといった具体的なエピソードもつづられ、矢部六郎右衛門の筆まめぶりもうかがえる。
17日に菊川市の高台にある虚空蔵堂から遠眼鏡を使って周辺を視察した際は、田沼意次の人柄がしのばれる記述も。虚空蔵堂の周辺の家々は、見物人の男女でいっぱいになったが、ここで田沼意次は人々を「棒で制してはならない」と指示。「ひなが立ち並んでいるかのような人出にも、『構わない』」としたと記されている。
調査を担当する牧之原市史料館学芸員の長谷川倫和さん(40)は「『身分の低い人に気配りせよ』との遺訓を残した意次らしい、領主としての姿勢も分かるエピソードだ」と発見を喜ぶ。解読中の部分には、視察の道中で道端のフクロウの子を気遣ったとみられる記述もあり、さらに内容を精査していくという。
お国入りのシーンは5月4日の大河ドラマで放送される。萬覚は史料館で開催中の「田沼意次の新時代展」で展示している。同じく史料館で1月から開かれている「大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』展」では、田沼邸のセットを再現したコーナーを追加。牧之原市ゆかりの田沼意次をしのびつつ、セット内で写真を撮ることもできる。【藤倉聡子】
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