「保存料使っているんでしょ?」、ボンカレーは懐疑的な声といかに向き合ってきたのか? “世界…

時代が変わればパッケージも変わる…初代『ボンカレー』(向かって右)と最新の“にんにくマシマシ”味(向かって左) (C)oricon ME inc.

【写真】“白いボンカレー”だと⁉ かつて発売された異色味のパッケージ
■レトルトなのに“懐かしさ”を覚える…「それぞれの思い出の中にボンカレーがあるのが最大の強み」
――60年近い歴史を持つ『ボンカレー』は、大塚食品を代表する文字通りの金看板です。社員の方々にとって同商品はどのような存在なのでしょうか?
【森川慎太郎さん】やはり大塚食品の根幹ブランドという認識は入社当初から強くあります。『ボンカレー』とともに歩んできた企業であることは間違いないです。
【中島千旭さん】私自身も小さいころから食べている商品なので、そこに携わらせていただくのはすごく貴重な経験ですし、57年も継続しここからまだまだ進化していくブランドです。そのブランドに携わることができていることは、大変ありがたいことだと思います。
――金看板だからこそ、マーケティングチームに携わっていることはプレッシャーに感じることもあるのでは?
【森川さん】そうですね(笑)。ただ、直接携わって改めて感じたのは、ユーザーの皆さまがボンカレーに抱いているイメージが情緒的な部分が多いことです。昔懐かしい、いつも変わらないほっとする味だから安心するというところが、他社さまの製品とは異なりボンカレーにはあると知ることが出来たのは大きかったですし、より一層大切にしていかなければと襟を正したことを覚えています。
――確かに。望郷の念に駆られるレトルト食品なんて、『ボンカレー』以外には考えづらいです(笑)。
【中島さん】それがまさに『ボンカレー』にしかない唯一無二のアイデンティティだと思います。小さい頃、土曜日のお昼にお母さんが用意してくれたボンカレーを一緒に食べた記憶や、家族で行ったキャンプで楽しそうに食べた記憶など様々です。それぞれの思い出の中にボンカレーがある。さらに自分が親になった時にお子さんにも食べて頂いている…3世代にわたって繋がっていく流れが作れているのが最大の強みですね。
――キャンプなどの屋外で食べたボンカレーの味は確かに格別ですよね。忘れられない思い出として得難い体験がある。
【中島さん】『ボンカレー』に対してのイメージをお客様にアンケートを取ると、味はもちろんですが、それぞれの思い出を必ず書いてくれます。思い出を共有して頂くことは我々としても非常に嬉しいですし、誇らしく感じる瞬間でもあります。
■核家族に一人暮らし、高齢夫婦も…“多様な食卓”を『ボンカレー』でどう彩る?
――消費者目線で『ボンカレー』を見ると、手軽さや美味しさ、アルミパウチの採用など、発売当初からすでに完成されているというイメージを持ちますが、作り手側から見ると異なる視点もあると思います。開発部門の江藤さんは、ユーザーニーズを見誤らないためにどのような意識をもって商品開発を行っていますか?
【江藤さん】実は私も入社する前は発売当初からあまり変わってないんだろうなと思っていました。昔ながらの味を守り続けているのだろうと。ですが、開発に入ってみると、時代に合わせてのさまざまな改良や、味への取り組みを行っていることに驚きました。因みに、ボンカレーと聞いてイメージされるパッケージはどのようなデザインでしょうか?
――世代によっても変わるのかなと思いますが、松山容子さんを起用されたデザインや円のマークを入れたデザインですかね。
【江藤さん】1968年に松山容子さんのパッケージで発売させていただいたのですが、その10年後の1978年には現在の主力製品であるボンカレーゴールドが発売され、食べ比べると全く味が変わっているんです。発売から10年後の味として、ユーザーにどのようにマッチするのだろう? と考えたとき、フルーツを贅沢にかつ香辛料をしっかり使った味わいにするなど、大きな変革を行ってきました。味に関しては、その時代にどのようなニーズがあるのかをお客様の声や世の中のトレンドを取り入れつつ改良を進めています。一方で守らなければいけないものとしては、家庭で作られたような“安心感”、気持ちに寄り添えるカレー作りは、日々の開発の中でも受け継がれています。
―― 一口に『ボンカレー』といっても“元祖”、“ネオ”、“ゴールド”、“ベジ”など、多種多様なシリーズを展開し、そこから様々な新商品も発売されています。どれくらいのペースで新商品を展開されていますか?
【中島さん】おおよそ半年に1回から、1年に1回ぐらいのペースで新商品の発売、または改良版の展開を行っています。企画立案に関してはケースバイケースではありますが、1年から長いと2年前ほどから企画が進行します。
――例えば先ごろ新商品として発売され現在ヒット中の『ボンカレーネオ にんにくマシマシ 辛口』は、イメージとしては男性ユーザーがガッツリいきたい時に食べる。一方で、女性・お子さんに向けた商品など、ターゲティングは都度で変わってくると思うのですが、ターゲティングのルーティンなどはありますか?
【中島さん】ルーティン自体はないです。イメージとしては、家族が1つの食卓にいたときに、お父さん、お母さん、お子さん、あとは一人暮らしの方もいらっしゃれば、今だとご高齢で2人暮らしをされている方もいらっしゃいますので、そういった“多様な食卓”をどのように『ボンカレー』でお役立ちできるかというところから、まずはアイデアを膨らまし、ラインアップ展開を考えています。
――多様な食卓をどのように『ボンカレー』で彩るのか? 生活環境の変化が生じても、『ボンカレー』がフィットするのかを常にキャッチアップしている。
【中島さん】57年間の進化のなかでも、箱ごとレンチン出来るようになったことは大きな変革でした。電子レンジが一家に一台という時代に突入しても、レトルトカレーはまだ湯煎だったんです。アルミパウチのままだとレンジができないので、新しいパウチの開発を急ピッチで進めるなど、時代の変化や家庭の状況をキャッチアップして迅速に対応する…このような考え方は脈々と受け継がれていますね。
■高い技術力がゆえの懐疑的な声には…「否定から入るのではなく、作り手としての意思を伝えたい」
――“彩り”という意味では、『ボンカレーベジ』や『こどものためのボンカレー』など、健康志向に配慮したシリーズも多数展開されています。レトルト食品に対する負のイメージを持つ一部の声を払拭することには、やはりご苦労があったのでしょうか?
【中島さん】そうですね。これは長期保存が可能だからこその宿命と言いますか…発売当初から、夏場は2ヵ月、冬場は3ヵ月保存可能という、「缶詰や瓶詰め以外でなぜそんなに保存できるの?」というお声は頂いていました。それがアルミパウチの開発により、更に2年間の長期保存が可能になりました。「どうやって作られているの?」「保存料とか殺菌料が入っているんじゃないの?」という疑問の声もありました。
――高い技術力だからこその懐疑的な声ですね。作り手としてはジレンマがありますね。
【中島さん】そもそもレトルト食品には、保存料や殺菌料を使ってはいけないという法律があります。その点を含め、長期保存を可能にしてきた技術力を少しずつ説明してきました。ですが、懐疑的な声に対しての否定ではなく、日常の食事として何度も食べやすい、何度でも手に取っていただきやすい製品に仕上げていく。この作り手としての意思を57年間続けてきたのかなと思います。
――否定からではなく、単純に食品としてのクオリティを謳ってきたということですね。『こどものためのボンカレー』なども、そもそもボンカレーは子どもでも食べられるのにも関わらず、あえて“こどものため”を銘打ったのは、確固たる自信と負のイメージをいかに払拭するのかという所信表明にも感じました。
【中島さん】昔からの課題として、「調理をしないのはどうなの?」、「温めるだけってどうなの?」というご意見は、“手抜き=いけないこと”という風潮が根付いているからこその意見でした。ですが、共稼ぎ世帯の増加など社会背景の変化、さらにコロナ禍も要因の一つとなり、その意識にも変化が生じたと感じています。アレンジレシピなどを提案していますが、ストックしているレトルト食品に少し手を加えるだけでクオリティも更に高まりますしし、ゼロからの料理よりも手軽です。ポジティブな変換をしてもらいながら、家族の有意義な時間を満たせる食品というイメージを提案し続けています。
■家族団らんでも“個食”を重視する時代、『ボンカレー』の次なる一手とは?
――生活様式や家族の在り方は年々変化しており、家族で団らんをしても“個食”を重視する傾向がより高まっています。先ごろ発表された『ボンカレーネオ にんにくマシマシ 辛口』からも“個食”重視のアンサーのひとつとも受け取れますね。
【中島さん】そうですね。ボンカレーは各シリーズにおいてもそれぞれのニーズに対応していて、例えば“プチ贅沢”なら『ボンカレーネオ』、昔ながらの味を楽しめる復刻版『元祖ボンカレー』、さらにはお子さま向けの『こどものためのボンカレー』と、様々なニーズに応えられるラインアップになっています。今回の「にんにくマシマシ」は、贅沢な気分を味わいたい、家で食べるけどより満足したいという声に応える形での商品化となりました。
【森川さん】今後も、“家族みんなの嗜好と生活スタイルに合った、ほっと心安らぐおいしさを提案しつづける”ことをブランドとして追い求めていきたいですね。
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