17歳で突然“生きてるだけで足が太くなる”病気に…夢諦め自暴自棄になった女性が世界中を旅し…

安岡桜子さん(Instagram/@yasuoka_sakurakoより)

【写真】片足が2倍の太さに腫れている、安岡桜子さんの足元…「原発性リンパ浮腫」の症状とは?
■17歳で発病し大好きな新体操を諦めた過去「本当に人生のどん底でした」
――ご自身のSNS発信に対する反響についてどう感じていらっしゃいますか。
【安岡桜子さん】正直、かなりのコメント数と再生数に驚いています! SNSで発信するとアンチコメントが増えると思いました。しかしほぼ100%、応援のメッセージや温かい言葉ばかりで幸せな投稿で何度も見直して読み直して私自身のパワーになっています。自分の弱い部分を発信することは、恥ずかしいことだと思っていましたが、自分の弱みが人を励ましたり、エネルギーになるということを教えてもらいました。
――等身大の姿に胸を打たれる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
【安岡桜子さん】発信して思ったのは私の弱みは誰かの強みを活かすためにあるということです。リンパ浮腫という病気の中でも「原発性リンパ浮腫」は原因不明で、突然足が腫れ出す病気なので、同じ病気で悩む人はもちろん、そのような方がお知り合いにいるという方にまで届いたことはとても嬉しいことでした。
――「原発性リンパ浮腫」は17歳で急に発病されたとのことですね。
【安岡桜子さん】当時、私は新体操でインターハイを目指す高校3年生でした。2年連続インターハイ出場をしていたので、最後のインターハイで3連続出場を目指す春のことでした。新体操の練習が始まる前に柔軟をしていたら足のむくみがひどいことに気がついたんです。そのむくみが練習後もなかなかひかない。「何だろう?」と思って接骨院に行くと、「これは何かの病気だ、すぐに大学病院に行ってください」と。驚いて大学病院にいきました。
大学病院でも、なかなか診断できるドクターに辿り着けず4件病院を周りました。今から17年前のことなのでまだ「リンパ浮腫」という名前が知られていなくて、病院をたらい回しになったイメージです。親がネットで調べて「リンパ浮腫ではないですか?」と最後の病院で聞いてはじめて「そうだと思います。治ることはないので、うまく付き合ってください」と利尿剤を処方され帰らされたこと、車の中で涙が止まらなかったことをとてもよく覚えています。
――想像すると、本当につらかったと思います。
【安岡桜子さん】いろいろとわからないことだらけでした。この病気は何か?死んでしまうのか?なぜ私が?新体操はできないのか?…あらゆる情報が欠けていました。当時は不安と悲しみで毎日泣いていました。新体操の高体連からは「病気の選手を出場させてはいけない」などの通達もあり、5歳から始めた大好きな新体操さえ奪われてしまった。本当に人生のどん底でした。
病院の先生から「むくみを最小限にするには寝たきりでいてください」「蚊に刺されないように素足は禁止」「サウナやプールも禁止」「運動も禁止」「24時間の圧迫が必須」など17歳の私には考えられないような「禁止」だけを伝えられ、人生が終わったように思いました。
■日常生活の制限に落ち込むことも…「感情を味わいきることで、後腐れない再スタートをする」
――「原発性リンパ浮腫」であることで、これまでの日常生活がいろいろ制限されてしまったこともあったのでしょうか。
【安岡桜子さん】はい。高校時代は足の甲までむくみがあり、制服のローファーが履けず、クロックスをはいて登校しました。私の高校は女子校で制服が可愛い、おしゃれで有名だったので17歳、“華の女子高校生”の私にとってはクロックスでの通学は本当に苦しい思い出です。とにかく恥ずかしかった。
スカートやハーフパンツなど足が見える格好をしていると通りすがりの人にジロジロと見られたり、小さな声で「え?あれ義足?」などと言われることもありました。時には「練馬大根」と言われたこともありました。ですが、幸いにも私の周りには優しい方が多かったので、特段嫌な言葉をかけられることは少なかったです。その代わり、何より自分自身が右足のことが許せず、悩む日々が長かったです。
例えば彼氏ができたとしても、自分の足や体の外見的な自信を持てなかったので、隣で過ごす日も恥ずかしさがいつも勝っていました。夜もバンテージという包帯を巻く生活なので、女性としての魅力を自分自身で殺してしまっていた日々が長かった気がします。
――多感な時期に足の見た目が変わるのは耐えられないですよね。
【安岡桜子さん】足のむくみの病気なので常日頃、右足は重だるく痛みがあります。立ち仕事、座り仕事、何をしていても足が下がっていると重力でむくみ、辛さがあります。新体操をやっていたので笑顔で過ごすことは得意で、重さや痛みを隠せるだけのタフさはあるのですが、家に帰るとドッと疲れ立ち上がることもできないほどです。
また、洋服を選ぶことに対していつも辛さが伴います。もっと短いスカートを履きたい、水着をきたい、ブーツを履きたい、タイトなパンツスーツを着たいなど様々な欲求に対して、答えられない体を持っているため、「自分はおしゃれではない」「自分はダサい」そんなふうに長らく思っていました。
――どのようにメンタルを保たれていたのでしょうか?
私は、寝たら忘れるようなタイプではなく、とことん考え込むタイプなので「落ち込むならとことん落ち込む」「泣くなら泣き叫ぶ」そんな感情を味わいきることを徹底することでメンタル面を保っています。感情を誤魔化さないということでしょうか。
20代の頃はよく泣いて学校の教室を飛び出し、1人で伊勢まで逃亡したり、全てが嫌になってLINEやインスタ全て削除したり、極端な行動をしてしまっていました。子どものような性格が恥ずかしくなりますが、それでも感情を味わいきることで、後腐れない再スタートをしているような気がします。
■「私はこの姿で十分なんだ」世界中を旅して変化した“美しい”の概念
――発症から現在に至るまでで病気との向き合い方はどう変化されましたか。
【安岡桜子さん】17歳で発症した時はまさに「悲劇のヒロイン」。なぜ私が、こんな目に遭うの?世界の全てが悪に見えて、全てが嫌になる。そんな毎日でした。新体操を続けることができなくなって、大学に進学した際は新体操部のマネージャーとして新体操に関わる決断をしましたが、近くで見ているのに自分が踊ることができない悔しさで胸が痛く、結局新体操から離れることになりました。
これまで新体操しかしてこなかったので「今までできなかったこと」を思い切りやろう!と世界に飛び出しました。オーストラリア、アメリカ、シンガポール、上海、イギリス、フランスと…。アルバイトをして貯めたお金で世界中を旅することにしました。
旅先で、体型を気にせず、自信満々で歩いている人たちを見て「私はこの姿で十分なんだ」と気づかせてもらいました。日本や新体操の世界では痩せている、細い、足が長い、そんなことが美しいという概念がありますが、世界は違った。そこに気付けたことが一番自分自身を変えてくれるきっかけになりました。
――SNSの投稿の中にあった「弱みを見せることは悪いことじゃないと教えてもらった」という言葉が印象的でした。
【安岡桜子さん】インスタで自身の弱みを発信し始めたきっかけはベトナムに行ったことです。当時私はかなり多忙な日々を送っており、フライトで足がひどく腫れて痛みの限界を突破していました。耐えられず観光に連れ出してくれた方に「足が痛い」と言ったのです。いつも強がる私が、初対面の人に「足が痛い」と言えたのは初めてだったかもしれません。
その際、「弱みを見せることは悪いことじゃない」と言っていただきました。「桜子さんの弱みを知ると、もっと頑張ろう、助けてあげようと人は力が沸いてくるものだ」とも言っていただき、強くあることだけが人を守ったり助けたりすることじゃないのだなと気づかせてもらいました。
――この先「原発性リンパ浮腫」という病気に対して、世間が理解を進めるためにどんなことが必要だと思いますか?
【安岡桜子さん】知ることで十分だと思います。知られるためには当事者が発信する。多くの人は本当に知らないだけなので、こうして1人でも多くの人がお互いのことを見せ合えれば、もっと理解されてもっと優しくなれて、もっと助け合える世界ができるのではないかなと思います。人は思ったよりも優しいです。心を見せ合うと必ず助け合おうとしていて、私はそういう人の本質的な部分が大好きです。
――今後、ご自身の活動やSNS通してどういったことを伝えていきたいですか。
【安岡桜子さん】私は今株式会社ikiteruという会社を経営しています。それは病気やこれまで味わったあらゆることが「なぜ起きるのか?」「なぜこんな目に遭うのか?」の答えに辿り着いたからです。その答えはシンプルで「生きているから」。私たちは生きているから泣くし、落ち込むし、苦しむし、間違えるし、失敗もする。でも生きているから復活するし、笑うし、喜ぶし、豊かさを感じる。
時間がない、健康ではない、お金がない、友達がいない、など「ない」にフォーカスした社会ではなく「足は太いが、笑顔が可愛い!」など「ある」にフォーカスできる人が増えたら素敵だなと思って発信していきたいと思います。
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