太田光、田原俊彦騒動から“人権”を考える「日本中が右往左往しながら…」 高畑勲への“共鳴”…

2025/06/26 14:25 

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田原俊彦騒動から“人権”について述べた爆笑問題・太田光(C)ORICON NewS inc.

 お笑いコンビ・爆笑問題の太田光(60)が26日、都内で行われた『高畑勲展 ー日本のアニメーションを作った男。』オープニングセレモニーに出席。15日放送のTBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』(毎週日曜 後1:00)内で、田原俊彦が発した“不適切な言動”を念頭に置いたコメントをする一幕があった。

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 この日のセレモニーは、武内陶子アナ(60)が進行を担当。武内アナと軽快なトークを展開する中で、太田が「今、女子アナにいろいろ言うとヤバいのでね(笑)」と切り出すと「田原俊彦です」と神妙な表情を浮かべた。その後、高畑勲さんが『火垂るの墓』について「戦争反対映画ではない」と発言していたことが話題になると、太田が自身の解釈として、次のように伝えた。

 「高畑さんが『反戦映画じゃない』と言っていることを、今の言葉として感じると、今まさにそうですけど、トランプがイランに攻撃して、プーチンとイスラエルもどうなっているかわからない。戦争反対っていう言葉が、いかに雑な言葉か。プーチンと話した方がいいのか拒絶した方がいいのか、世界中誰もわからない。高畑さんが戦争を体験した中で、単に『戦争反対』という、簡単な言葉の中にこの作品を閉じ込めてほしくないっていうのが、今我々に問い直されているような気がして。反対していた人間が恐ろしくなってしまうこともあり、逆に言うと、国を守るために戦うっていう正義もあり。簡単に『反戦』というひとつの言葉に入れきれない、人間ってそんな単純じゃない」

 その後の囲み取材では「気になる芸能ニュース」について向けられると「日々いろいろ起きているから、僕も当事者だったりしますので、いろいろ気になることはあります」と前置きしつつも「高畑さんが『火垂るの墓』を『反戦映画という一言で括らないでほしい』というので共鳴するのは、例えば我々の漫才、社会派漫才って言われるけど、そのことだけじゃない」と熱弁。

 続けて「つまり、人間の生き様、どうやって生きて、苦しんで、完璧じゃないっていう。そういうのは、わざわざ口に出して『こういうメッセージです』と言うのは口幅ったいから言わないし、言葉で言えるのであれば作品はいらないから。でも、レッテルを貼られると、どうしても言いたくなっちゃうっていうのがあると思うんです。それで、今の世の中でいうと、日本人、マスコミも含めて、僕自身もそうだと思うけど、人権という言葉に振り回されていますよね」と呼びかけた。

 そして「ここ昨今、いろんな意味で、フジテレビの問題以降、初めて人権という言葉をどうやって解釈していいのかと。日本中がたぶん右往左往しながら、ああでもないこうでもない、トンチンカンなことをやりつつ。CMで誰かを降ろしたり、そして戻したり。あるいは、抗議をしたり。どこかの局が…全部遠回しにトシちゃんのことを言っているんですけど(笑)。てんてこまいしながらやっている。我々は成長しなければいけない。その最中だと思うんです」と指摘。

 その上で「いわゆる人権という言葉のひとつの中では、とても収まりきれないものがあると思うし。そういうのは、僕が言葉で説明するよりも、作品として、一人ひとりが言葉で括られたこと以上のものを感じるのが大切じゃないかなと。法令遵守って言いますけど、それ以上のものが、人間はそれを取り巻いて生活しているっていうことが重要だと思うので。僕らは、それをネタにし続けるけど、高畑さんは生涯通じてやり続けたんだと思っています」と締めくくった。

 高畑勲の生誕90年という節目であり、高畑がその人生に大きな影響を受けた太平洋戦争から80年が経過する2025年。この背景を踏まえ、「火垂るの墓」に着目した多くの資料を展示、作品紹介エリアでは、『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『アルプスの少女ハイジ』のセル画・背景画が本展初公開となる。

 そして、かつて『火垂るの墓』に原画スタッフとして参加した庵野秀明が描いた重巡洋艦摩耶のレイアウトが発見され、それを基にして描かれたハーモニーセルとともに本展覧会で初公開されることも話題となっている。

 セレモニーにはそのほか、高畑さんの妻・高畑かよ子氏、長男の高畑耕介氏、岩井俊二監督も出席。同展は、27日から9月15日まで麻布台ヒルズギャラリーで行われる。

■田原俊彦の発言をめぐっての経緯
6月21日:TBSラジオが15日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』にゲスト出演した男性(田原)が行き過ぎた発言を行ったり、女性アナウンサーの手を指で触れたりする場面があったと報告。こうした行為について「これら一連の言動は不適切なものであったと判断し、ゲストのマネジメント担当に対して再発防止の申し入れを行い、先方からお詫びの言葉がありました」と報告した。続けて「当社としても番組を制作・放送した側として責任を重く受け止めております。当社はTBSグループ人権方針に則り、番組に関わる全ての方の安心・安全の確保をより徹底していく所存です」と伝えた。

6月22日:『日曜サンデー』冒頭で、騒動について言及。太田が「オレなんかが、トシちゃんがちょっと踏み外すっていうか、やっちゃいけないことをやるとオレが喜ぶ…みたいなのが、2人の関係性の中であって」と前置きした上で「トシちゃんはどう思っていたかわからないけど、『サンジャポ』からの流れで、元気ないって言われている部分もあって。自分らしさを出そうって、このラジオの場においてはね。そういう部分もあったと思う」と推察した。

その上で「要するに『何やったんだトシちゃん!』って、オレから言われることをやろうしたところがあって。オレとしても、トシちゃんのああいうセクハラっぽいところとか、パンツ見せたりとか、そういうことを今までずっと喜んでいた部分もあって。あの人は求められると、絶対に答える人なので、それはトシちゃんにも申し訳なかったし。数々ご批判いただいていますけど、オレ自身も、それを楽しむっていう感覚も、ここんとこ、何年も、お笑いって、何が正しいのか、いろいろ自分なりにも考えているんだけど。批判を受けた部分については、自分の考えを改めないといけない」と反省していた。

6月22日:リリースイベントの囲み取材で、田原俊彦が、報道陣とのかけあいの中で「そういうことやるからいけないんだよ!時代は令和なんだよ!昭和ど真ん中ですから」と自虐を交えてコメント。「なんか、騒がれちゃって。僕としては通常運転というか。『日曜サンデー』には14~15年、毎年出て。スタジオで大騒ぎして、アナウンサーの方とわちゃわちゃやって、オレと太田が怒られるっていうパターンが成立しているんですけど。先週は僕が調子に乗りすぎたっていうのもありまして」と振り返っていた。
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