トランプ氏、次期FRB議長に言及 パウエル氏は「間もなく辞める」

2025/06/26 10:44 

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 トランプ米大統領は25日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長について「3~4人の中から選ぶだろう」と述べた。具体的な名前には触れなかったが、トランプ氏が「愚か者」などと痛烈に批判するパウエル議長の後任選びが進んでいることを示唆した。

 オランダ西部ハーグでの記者会見で記者の質問に答えた。パウエル氏について「幸いなことに間もなく辞める。彼はひどいと思う」と述べ、トランプ政権の関税による物価上昇(インフレ)を懸念し、利下げに慎重姿勢を崩さないパウエル氏を改めて批判した。

 トランプ氏は一時、自らの意向に従わないパウエル氏を任期満了前に解任する考えを示していた。だが、「FRBの政治的独立を侵害する恐れがある」との懸念から市場が不安定化したため、現在は解任論を封印している。パウエル氏の任期は2026年5月だが、パウエル氏の現職議長としての発言力をそぐため、早期に後継候補の名前を明かす案が取り沙汰されている。

 ラトニック商務長官は25日、X(ツイッター)に「自分の仕事をしろ。ばかげた高金利を次回会合で引き下げよ」と投稿し、パウエル氏に利下げを迫った。バンス副大統領も24日、「パウエル氏は大統領選前に金利を引き下げた。インフレ率が低下している今、なぜそれができないのか聞きたい」とXに投稿。トランプ氏に忠誠を誓う政権幹部が、そろってパウエル氏に利下げを迫っている。

 FRBはインフレ率が低下する一方、雇用環境が悪化する恐れがあると判断し、24年9月に4年半ぶりの利下げを決定。トランプ氏が勝利した同年11月の大統領選を挟み、3会合連続で計1%の利下げをした後、金利を据え置いている。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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