<1分で解説>NATO防衛費目標 GDP比5%に 日本に影響は?

2025/06/26 12:21 

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 北大西洋条約機構(NATO)が、オランダのハーグで首脳会議を開き、加盟国の防衛費を国内総生産(GDP)の5%まで増やすという新しい目標で合意しました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「NATOの防衛費目標引き上げ」について解説します。

Q NATOってどんな組織なの?

A NATOは、アメリカやヨーロッパの国々が集まって作った北大西洋条約機構という安全保障のグループです。お互いに助け合って国を守る約束をしています。

Q どうして防衛費を増やすことになったの?

A ロシアがウクライナに攻め込んだことで、ヨーロッパの安全が心配になったからです。軍事的な脅威が高まっているので、国を守るためにもっとお金を使う必要があると考えられました。

Q GDP比5%ってどれくらい大きいの?

A GDPは、その国が1年間に生み出すお金の合計です。今までの目標は2%でしたが、5%になると2倍以上に増えることになります。

Q アメリカはどう思っているの?

A アメリカの防衛費はNATO加盟国の総額の6割以上を占めます。アメリカのトランプ大統領は、他の国ももっとお金を出すべきだと前から言っていました。今回の合意は、トランプ氏にとって大きな成果になりました。ただし、アメリカも本当にこの約束を守るかは、まだはっきりしていません。

Q 日本も関係あるの?

A はい、日本はNATOには入っていませんが、アメリカは日本を含むアジアの同盟国にも、NATOと同水準まで防衛費の引き上げを求めています。日本は今、GDPの2%まで増やす計画ですが、NATOの新しい目標が日本の今後の議論に影響しそうです。

Q 今までの防衛費はどれくらいだったの?

A NATO全体の防衛費は、1975年にはGDPの4.7%でしたが、冷戦が終わった後は下がり続け、今は2.6%くらいです。今回の目標は、昔の水準に近づけるものです。

Q 全部の国がすぐに5%にできるの?

A いいえ、今は32カ国のうち22カ国しか、2%目標も達成できていません。5%目標の期限は2035年までに設定されました。国によって準備のスピードが違うので、これからどう進めるかが課題です。

毎日新聞

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