日本郵便に運送業許可の取り消し処分 トラック2500台使用不可に

2025/06/25 15:10 

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 日本郵便で運転手への点呼が不適切だった問題で、国土交通省関東運輸局(横浜市)は25日、貨物自動車運送事業法に基づき、同社の貨物運送事業許可を取り消す行政処分を出した。集配の拠点間の輸送や都市部の大規模局での集荷を担うトラックやバン約2500台が5年間、使えなくなった。

 日本郵便は輸送量を確保するため、約2500台のうち約58%分の輸送を子会社の日本郵便輸送のほか、ヤマト運輸や佐川急便、西濃運輸などに委託する方向で調整している。残りの42%は、処分対象外の自社車両を活用する方針という。

 日本郵便は、配達に使う軽バンなど約3万2000台を保有している。これらは届け出制で今回の処分の対象外だが、国交省は監査を続けており、一定期間の車両使用停止の処分を科すとみられる。

 国交省は監査による処分に先立ち、軽バンなど約3万2000台についても、再発防止の徹底を求める「安全確保命令」を25日に出した。7月中に改善策を出すことを求めている。

 各地の郵便局での運転手への点呼を巡っては、日本郵便が調査対象とした57万8000件(1~3月分)のうち、14万8000件で必要項目の全てまたは一部が未実施だった。このうち10万2000件は、発覚を免れるために記録簿に事実と異なる記載をしていた。

毎日新聞

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