イスラエルとイランの衝突終結か 日本時間25日午後に正式停戦へ

2025/06/25 10:49 

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 激しい交戦を続けてきたイスラエルとイランが合意した停戦は、日本時間25日午後にも「公式な停戦」を迎える。今月13日から始まった戦争は完全に終結する可能性が高まっている。

 段階的な戦闘停止が発効した24日、両国は互いに「合意違反」があったと非難し、イスラエル軍がイランを空爆するなど、根深い不信感を露呈した。ただ、これまでに大規模な衝突には発展していない。

 イスラエルは24日、ネタニヤフ首相が停戦受け入れを表明したが、その後、イランがミサイルを発射したと非難。イランは否定したものの、イスラエル軍はイランの首都テヘラン近郊のレーダー施設を空爆した。

 イスラエル首相府や米ニュースサイト「アクシオス」などによると、イランは停戦発効後、複数のミサイルをイスラエルに向けて発射した。いずれも迎撃されたか、空き地に着弾しており、被害はなかった。だが、イスラエルのカッツ国防相は軍に対し、大規模な報復攻撃を指示し、多数の戦闘機がイランに向かった。

 トランプ米大統領はホワイトハウスで24日、報道陣に対し、「誤って発射された可能性のあるロケット弾1発のために、イスラエルが出撃したのは好ましくない」といらだちを見せた。その後、ソーシャルメディアへの投稿で「イスラエルよ、その爆弾を落とすな」と警告し、イスラエルのネタニヤフ氏にも電話して攻撃をやめるよう求めた。

 イスラエル側は攻撃の規模を大幅に縮小し、レーダー施設の空爆にとどめたとされる。カッツ氏はその後、ヘグセス米国防長官と電話で話し、イランが停戦を維持する限り、「イスラエルは停戦を尊重する」とX(ツイッター)に投稿した。

 ロイター通信によると、イスラエル軍のザミール参謀総長は24日、「重要な節目を迎えたが、対イラン作戦は終わっていない」と語り、警戒を続ける姿勢を強調。イラン最高安全保障委員会も「敵の言葉は少しも信用していない。引き金は指にかけたままだ」と警告した。

 また、イランの核開発問題を巡る外交交渉の行方などによっては、再び武力衝突が起きる懸念もくすぶっている。ロイターによると、ネタニヤフ氏は24日のビデオ声明で、イランが核開発計画を再開した場合には「イスラエルは同じ決意と力でそのような試みを阻止する」と強調した。

 ロイターによると、イランのペゼシュキアン大統領はサウジアラビアのムハンマド皇太子に対し、「国際的な枠組みに基づいて米国と問題を解決する用意がある」と話したという。【カイロ金子淳、ワシントン金寿英】

毎日新聞

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