NATOの防衛費増額「米国は例外だ」 トランプ氏が主張

2025/06/25 14:49 

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 「彼らは払うべきだ。でも我々は払わなくてもいい」。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が25日に合意を目指す加盟各国の防衛費増額の新目標を巡って、トランプ米大統領が自己中心的な主張を展開している。新目標案の「国内総生産(GDP)比5%」を要求したのはトランプ氏だが、「米国は例外だ」という主張は同盟関係に波風を立てそうだ。

 米メディアによると、トランプ氏は24日、NATO首脳会議に向かう途上で、米国も「5%」目標に同調すべきかと記者団から問われ、「そうは思わない。彼ら(欧州の同盟国)が支払うべきだと言ったのは私だ。我々が他国と同じように払うべきだとは思わない」と主張した。

 一方で、「5%」目標に難色を示すスペインについて「同意しないのは、他の加盟国にとって非常に不公平だ」と指摘。米国を例外として、他のNATO加盟国は防衛費を引き上げるべきだとの持論を展開した。

 NATO首脳会議は加盟各国の防衛費の目標について、現行のGDP比2%から5%に引き上げることで合意を目指す。中核的な防衛費を3・5%、インフラ整備などを含む防衛関連費を1・5%とする計画で、目標期限について詰めの協議を行っている。

 米国の2024年の防衛費はGDP比3・19%で、首脳会議で合意に達すれば、財政状況が厳しい中で増額を求められる。しかし、トランプ氏の発言通りなら、合意前から履行の意思はないことになる。【秋山信一】

毎日新聞

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