「大人になればきっとみんなあなたの魅力に気づく」自身のルーツに悩んだ少年の人生逆転させた母の言葉、今はハーフであることが誇りに│@T COM(アットティーコム)ニュース

「大人になればきっとみんなあなたの魅力に気づく」自身のルーツに悩んだ少年の人生逆転させた母…

2025/07/25 07:20

小学生時代のルイスさん（＠luiohkuboより）

　小学生時代、ハーフであることを理由に同級生からいじめられていたというルイスさん。そんな彼が投稿した、いじめられっ子だった自分にお母さまがかけてくれた言葉で人生が変わったという動画には「人間って嫉妬の塊、素敵に成長したあなたの勝ち」「僕もハーフなので、同じことがありました」などと多くのコメントが寄せられた。小学生当時の状況や自身のルーツに対する考え方について、投稿者・ルイスさんに話を聞いた。

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■「なぜ自分は人と違うんだ」同級生からの言葉でハーフであることがコンプレックスに

――Instagramへ投稿された動画には、「私もハーフでいじめられたこともあったけど、今は誰よりも誇りに思っている」「時がきたら息子にこの言葉を言おうと思います」など同じ境遇の方や国際結婚をされた方からも多くの声が寄せられました。このような反響を受けていかがでしょうか？

【ルイスさん】最初は、自分の幼少期に起きたエピソードを動画で伝えられたらいいなと思って投稿しました。次第にこのようなコメントが増え、「もしかしたら同じ経験をしている方が多いのでは？」と思い始めました。この動画は自分が体験した出来事で色々な方に影響を与えられるかもしれない。また僕の母親が伝えてくれた言葉を「自分の子どもにも使おうと思います」などのコメントも寄せられ、自分の母の偉大さに気付かされると同時に現状悩んでいる方を手助けできるかもしれないと感じました。本当にこの動画を上げてよかったと心底思っています。

――小学生の頃、毎日泣きながら家に帰っていたとのことですが、周囲からの言葉や態度で傷ついたことや精神的に辛い経験などがあったのでしょうか？

【ルイスさん】やはり、自分が一番傷ついたのは何より差別発言でした。同世代の子から自分とは違うからという理由で遠ざけられて友達を作れないことが悲しかったです。「耳がでかい」「外国に帰れ」「顔が小さくて宇宙人みたい」などの発言が多かったのですが、それが次第にコンプレックスになっていきました。「なぜ自分は人と違うんだ」「日本人に生まれたかった」と、とにかく自分の見た目が嫌いになりました。学校で気になる女の子にもまったく相手にされず、いつも悲しい時期ばかり送っていた印象があります。

――当時は、どのようなお子さんだったのでしょうか？

【ルイスさん】控えめな性格で、当然いじめてくる数人の同学年の子に立ち向かうことはできなかったです。今もですが、平和主義者の僕は、なんか違った方法で友達になりたいと思っていても、その勇気すらなかったです。そもそもハーフであることが、これを招いている現状が嫌で、自分がハーフであることが1つのコンプレックスにもなっていたと思います。

■留学先で初めて友達との交流を経験「自信を持って挑戦できたことが何より嬉しかった」

――いじめられていることを初めてお母さまに打ち明けた際は、どのようなご反応でしたか？　

【ルイスさん】お母さんは僕が泣きながら家に帰る姿を見て、同じ気持ちになって泣いてくれていました。きっと母も辛かったんだと思います。母からもらった「大人になればきっとみんなあなたの魅力に気づく」という言葉は、当時の僕は「本当かな？　きっと一生嫌われ者だよ」と思っていました。ですが、母の言ったことは本当だった。今になって偉大な母を持っていると実感しています。そのおかげで僕は家族が大好きです。毎日家族と接して、悩み事も全部両親に相談して、本当に友達のような存在で僕の人生に欠かせない人たちだと思っています。

――小学3年生のときには、単身で海外留学されたそうですね。留学先での生活はいかがでしたか？

【ルイスさん】いじめはやがて暴力的になることもあり、縄で縛られて腕に傷ができたり、背の高い子からは思いっきり壁に投げられ首を負傷したりしたこともありました。これは両親にひどいインパクトを与え、留学を決意することとなりました。留学先では、日本から転校してきたハーフの男の子ということで色々な方から声をかけてもらい、転校1日目にはたくさんの友達ができました。よく遊び、サッカーをし、様々なことに自信を持って挑戦できたことが何より嬉しかったです

――留学先でのご経験が、その後の日本での生活に活かされましたか？

【ルイスさん】小学5年生の頃に日本に戻ってきたのですが、正直日本での学校生活は怖かったです。またいじめられるんじゃないか、友達ができないんじゃないかと不安に思い、1年間は不登校で学校に通えませんでした。それを心配に思ってくれた両親が国際的な交流が多い小学校を探してくれて、小学6年生でそこへ転校しました。留学先で初めて経験した友達との交流や、教えてもらった数々の遊び、夢中になって色々なことに挑戦できたおかげで入学した小学校ではみんなが心優しく僕を受け入れてくれました。もちろんハーフの学生さんも多かったことからあまり珍しがらず普通に接してくれました。それが何よりも嬉しかったです。

■モデルとして活躍する今はハーフであることを誇りに「人と違うからこそこれから挑戦できる世界は広い」

――現在はモデルとして活動されています。ご自身の容姿を受け入れられるきっかけは何だったのでしょうか？

【ルイスさん】高校１年生まではかっこいいなどと褒めてもらうことが一切なかったのですが、外に出るときやバイト先、コンビニなどでたくさんの方からお声がけしていただくようになって、自信がつきました。ありがたいことにそのような声が多かったので、芸能事務所に所属することになりました。以前の僕の経験からはありえないことだったため、とても驚きました。今ではモデルだけでなくTikTokの配信を通して、同じような経験をしている人を少しでもサポートできるような活動をしています。

――ご自身のルーツに対する心境の変化はありましたか？

【ルイスさん】今は自分がハーフであることに誇りを持っています。そのおかげで褒めてもらうことも増え、肯定感も上がり、自信もつき、何事も怖がらず挑戦していきたい気持ちになりました。

――今、ご自身のルーツに悩まれている方へ、どのような言葉をかけていきたいですか？

【ルイスさん】いじめを受けている子たちの中には、立ち向かう勇気を持つ子は少ないと思います。国際的な交流が増えた今、いじめは少なくなったと思いますが、ハーフであることは個性であって、人と違うことはマイナスではありません。人と違うからこそ、これから挑戦できる世界は広いと思っています。何事にも恐れず、挑戦して欲しいです。それを妨げる方がいるとしたら、環境を変え、自分が輝ける場所はどこかにあると信じてほしいです。僕は、いじめで挑戦できなかったことが多かったことを今になって後悔しています。もう誰にも同じような経験をしてほしくないと思っています。