西島秀俊×瀬々敬久監督、ミステリー小説『存在のすべてを』映画化 2027年公開へ

2025/08/20 07:00 

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映画『存在のすべてを』2027年公開決定(左から)瀬々敬久監督、主演の西島秀俊 (C)2027「存在のすべてを」製作委員会 (C)塩田武士/朝日新聞出版

 『罪の声』(第7回山田風太郎賞受賞)、『踊りつかれて』(第173回直木三十五賞ノミネート)などの作家・塩田武士によるミステリー小説『存在のすべてを』が、西島秀俊主演で映画化されることが発表された。東映とテレビ朝日の2社による共同企画・製作作品。今月下旬にクランクインし、2027年に公開予定(配給:東映)。

【画像】原作書影

 物語の発端は、1991年に発生し、未解決のまま時効を迎えた「二児同時誘拐事件」。二人の児童のうち一人は無事保護されたが、もう一人は行方不明のまま3年後に祖父母宅に突如姿を現す。しかし、その空白の3年間について、本人は一切語ろうとしなかった。事件から30年後、新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに再び事件の真相を追うことになる。空白の時間に隠された「真実」とは――。

 西島が演じるのは、事件当時に警察担当の新聞記者だった主人公・門田次郎(もんでん・じろう)。旧知の刑事の死をきっかけに、不可解な事件の核心に迫ろうとする。脚本を読んだ西島は「二児同時誘拐事件をめぐる手に汗握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたい」と語っている。

 監督は、『64‐ロクヨン‐』(2016年)、『護られなかった者たちへ』(21年)などの社会派サスペンスから、『糸』(20年)、『ラーゲリより愛をこめて』(21年)などの感動作まで幅広い作品を手がけてきた瀬々敬久。西島とは『冷血の罠』(1998年)以来、27年ぶりのタッグとなる。

 西島は「時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみ」と期待を寄せ、監督も「西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしています」とコメントしている。

■西島秀俊のコメント(全文)

 脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。
 瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の『冷血の罠』以来になります。
 時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。
 観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。

■瀬々敬久監督のコメント(全文)

 『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。この小説を映画化する。すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。

 そして主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしながらも、この間の30年が自分たちや世界にとってなんであったのか、何を失ったのか。まるで小説の主人公たちが30年前の事件に再び接していく様の写し絵のように今、感じています。『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。
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