成田空港新社長「羽田にできないことに意義」 滑走路増設で機能強化

2025/08/20 08:45 

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 成田国際空港会社(NAA)の社長に6月に就任した元国土交通事務次官の藤井直樹氏(64)が、報道各社のインタビューに応じた。成田空港の滑走路新増設による機能強化について「羽田(空港)にはできないことをやることに意味がある。成田の強みを生かしていく」と述べ、国際線ネットワークの多様化、LCC(格安航空会社)の拡充などに力を入れる考えを示した。

 成田空港は、滑走路を新増設して2029年3月の運用開始を目指しており、年間発着能力は現在の30万回から50万回に拡大する見込みだ。藤井氏は、増加する20万回分を利用して「いろんな国、地方にネットワークを広げ、成田に行けばいろんなところに直接行けるようにしたい」と話した。

 専用ターミナルのあるLCCが成田の強みと強調する。「運賃が安いなら成田から乗ろうという人を増やしたい」と述べ、LCCの拡充に意欲を見せた。ビジネスジェットの受け入れ強化にも言及した。

 周辺自治体との関係について「不幸な歴史があり緊張関係が続いた」と説明。しかし、社長就任後にあいさつした自治体幹部らから「機能強化を地元の発展につなげたいという非常に強い思いを感じた」といい、NAAも地元経済などにより貢献していくとした。

 千葉県松戸市で生まれ、小学5年まで過ごした。「成田空港を遠い、不便と思っている人が多い。そんなことはないと訴えたい」と考え、東京都内から毎朝1時間40分をかけて電車通勤をしている。【合田月美】

毎日新聞

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