吉野耕平監督『沈黙の艦隊 北極海大海戦』 前作超えの挑戦を語る――ホッキョククジラ撮影は「…

映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』(公開中)メイキング写真 (C)2025 Amazon Content Services LLC OR ITS AFFILIATES. All Rights Reserved. (C)かわぐちかいじ/講談社

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日本の近海で、海上自衛隊の潜水艦が米原潜に衝突し沈没した。艦長の海江田四郎(大沢たかお)を含む全76名が死亡との報道に衝撃が走る。だが、乗員は生存していた。事故は、日米政府が極秘に建造した高性能原潜〈シーバット〉に彼らを乗り組ませるための偽装工作だったのだ。
米艦隊所属となった〈シーバット〉の艦長に任命されたのが海自一の操艦を誇る海江田であった。ところが、海江田は〈シーバット〉に核ミサイルを積載し、突如、反乱し逃亡。海江田を国家元首とする独立戦闘国家〈やまと〉を全世界に宣言した。〈やまと〉を核テロリストと認定し、太平洋艦隊を集結させて撃沈を図る米国。しかし、米艦隊を東京湾海戦で圧倒した〈やまと〉は、ニューヨークへ針路を取った。
今作の舞台となるのは、極寒の北極海。潜航する〈やまと〉の前に、性能をはるかに上回るアメリカの最新鋭原潜・アレキサンダーが立ちはだかる。一方、日本国内では、〈やまと〉支持を表明する竹上首相(笹野高史)を中心に衆院解散・総選挙が行われ、緊迫の政治戦が展開する。
『東京湾大海戦』は日本近海が舞台だったが、今回は北極海。激しい魚雷戦を繰り広げる原作随一のバトルシーンをさらなるスケールで描き出す中で、どのように映像化するかが大きな課題となった。
吉野監督は「シリーズを重ねるごとにハードルが上がっていくというプレッシャーはありました。前回できなかったことをやるチャンスだと前向きに考え、撮影方法やカメラ表現など、これまであえて避けていた手法に挑戦しました。『ゴジラ-1.0』が日本映画の映像表現の基準を押し上げたので、その水準を意識して臨みました」と振り返る。
今回も防衛省・海上自衛隊の協力を得て、前回撮りきれなかった潜水艦の実写素材を改めて撮影。新たに全方位360度を見渡せるカメラ・Insta360も設置して撮影を試みた。さらに北極海で約1ヶ月、実景撮影も実施。偶然ホッキョククジラの姿を捉えることに成功した。それも2頭のクジラが寄り添って泳いでいたという。「狙って撮れるものではないので、奇跡でした。氷が崩れる瞬間や夕陽に照らされた氷などを狙いながら撮影していたところ、偶然クジラが現れてくれた。幸運としか言いようがありません」と監督は語る。
〈やまと〉パートの撮影は、前作よりも大きな倉庫にセットを組んで行われた。「内部はスペースが限られるため、カメラワークに制約があります。前作は固定撮影が多かったのですが、今回は魚眼レンズや固定監視カメラ風の映像、頭上からのダイナミックなショットなど、新しい見せ方に挑戦し、エンタメ性を高めた」と言う。
主演の大沢たかおの芝居については「ほんのわずかな表情の変化でも的確に伝えてくる方です。必要なことしか話さないのに、自然と皆がついていきたくなる。背中だけでも語れるし、指先や口元のわずかな動きだけで『微笑んだのか』『緊張しているのか』といったニュアンスまで感じさせる。そこが本当に素晴らしい」と絶賛。
「撮影時、役者がいるのはあの狭い艦内だけで、敵は想像するしかない。編集でつながると敵の状況は観客に見えますが、現場では各人の想像力が勝負です。見えない状況を芝居に落とし込めるかどうか。大沢さんはそれができる方。芝居を先に撮ってVFXを合わせるため、彼の演技が全体のトーンを決めることにもなります。この作品では、最初の“一筆”を描く人が大沢さん。プロデューサーも兼務しており、本当に心強かったです」
今作では、海江田と副長・山中栄治(中村蒼)の掛け合いも見どころの一つになっているという。「前半の戦いで山中が『敵艦、戦闘不能です』と報告する場面。山中が“許してやれないか”という視線をちらっと送った瞬間に、海江田が即座に攻撃を命じる。その呼吸です。今回は〈やまと〉の“感情”を山中が代弁してくれる側面が強く、彼の動きや発言に対して、海江田がどう応じるか――二人のあうんの呼吸は、前作より確実に高まっています」
冬の北極は太陽が昇らない極夜で、ほとんど光が届かない。真っ暗な北極海の海上や海中を舞台にする以上、リアルさだけを追うと画面が沈んでしまうため、工夫が必要だった。
「“歌舞伎的”と言うか、象徴的な1枚絵として持ち帰ってもらえるカットや、音を楽しんでもらう場面など、記憶に残るような象徴的なカットを複数用意しました。予告編に使えるカット、鑑賞後に語り合えるカット、位置関係を伝えるカット、リアリティを補うカットなど――それぞれの役割を明確にして形にしていきました」
自衛隊協力による実写撮影や『ゴジラ-1.0』以後のVFX水準の更新、さらに大沢たかおのプロデューサー参加など、日本映画をアップデートする要素が詰まっている本作。吉野監督にとって『沈黙の艦隊』とは?
「この規模の作品を40代で任せてもらえる機会は多くありません。現場は助監督をはじめ若いスタッフも多く、“やり切ればこの先怖いものはない”という意気込みで臨みました。そうして積み上げた経験は、この作品が終わっても各自の現場で必ずプラスになると思います。僕自身、課題を一つずつ乗り越えるうちに“怖さ”は少しずつ減っていきました。覚悟を決めて前に進むこと――やれば形になる、と実感させてもらいました」と語った。
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