新星チェイス・インフィニティが光る『ワン・バトル・アフター・アナザー』公開中、特別映像解禁

2025/10/12 11:28 

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映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』(公開中) ディカプリオ(左)の娘役に大抜てきされたチェイス・インフィニティ(中央)

 カンヌ、ベネチア、ベルリン――世界三大映画祭の監督賞をすべて制覇した唯一の映画監督、ポール・トーマス・アンダーソン。その天才監督が、レオナルド・ディカプリオを主演に迎え、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロらアカデミー賞俳優陣とともに作り上げた最新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』が公開中だ。

【動画】チェイス・インフィニティが語る特別映像〈ウィラ編〉

 ディカプリオが「自分のキャリア最大の後悔」と語る、アンダーソン監督の初期傑作『ブギーナイツ』への出演辞退から約30年――。ふたりの宿命的なタッグがついに実現した本作は、“映画界に革命を起こす”と評され、早くもアカデミー賞最有力との呼び声が高い。

 広大な砂漠の一本道で3台の車だけが激突する狂乱のカーチェイス、現代社会をあぶり出す脚本と演出力、テンパり気味の元革命家を演じたディカプリオの表現力、変態軍人を怪演するショーン・ペン、飄々とことを進めるセンセイ役のベニチオ・デル・トロ。

 そして、特に大きな注目を集めているのが、映画初出演ながら3大オスカー俳優陣に並ぶ存在感を放つ新星チェイス・インフィニティだ。アンダーソン監督が「ウィラは彼女しかいない」と断言し、大抜てきした逸材である。

■キャスティングに2年を費やした“父娘の物語”

 アンダーソン監督と制作チーム、主演のディカプリオは、ウィラ役のキャスティングに2年以上を費やした。撮影初日を見守った監督は、「チェイスはレオとの撮影を始めるとき、緊張しているのではないかと注意して見ていた。だが、彼女はまったく緊張していなかった。仮にしていたとしても、それを感じさせなかった。瞬時にしてプロフェッショナルだった」と絶賛している。

 今回解禁された特別映像〈ウィラ編〉は、物語の鍵を握るウィラ(チェイス・インフィニティ)と父ボブ(ディカプリオ)の関係についてまとめたもの。

 森の中の小さな家の前で愛犬と戯れ、空手着に紫色の帯(五級)で息を整え一礼し、厳しい表情でサンドバックにキックをぶち込む――そんな多面的なウィラの姿が切り取られている。

 「ボブとウィラ、父娘が物語を動かす」とチェイス・インフィニティが語り始める。

 ウィラは、ボブとカリスマ革命家ペルフィディア(テヤナ・テイラー)の間に生まれた娘。育児を優先するボブに見切りをつけ、革命のために家を出た母を知らず、父と二人きり、森の中の小さな家で16年間を過ごしてきた。

 「二日酔いで帰宅は朝3時…」と問い詰めるウィラに対し、「お前はオレの子守のつもりか? 酒も車もチョロいもんだ」と返すボブ。アルコールに溺れる父を支えながらも反発を抱く、複雑な父娘の関係が描かれていく。

 革命家時代に犯した罪を抱えるボブは、常に「誰かに狙われている」と怯えていた。ウィラが「誰も捕まえに来ないよ」と語りかけても、「お前の意見か」と聞く耳を持たない。

 「ウィラの人生はいつも誰かの後始末ばかり。ボブは彼女に本当のことを話さない」とチェイス。「二人の関係は複雑で壊れやすい」と付け加える。さらに「過去の影に追いかけられて、その影が愛する娘に近づいていく」という言葉の通り、父の罪が娘の運命を狂わせていく。

 父娘が暮らす家の扉を破り侵入するロックジョー(ショーン・ペン)が、幼いウィラの写真の匂いを嗅ぐシーンは戦慄ものだ。その後も、ダンスパーティから逃げ出したウィラがデアンドラ(レジーナ・ホール)に「怖い?」と問われ「いいえ」と答える場面、隠れ家でロックジョーと対峙し、連行される車中から強化ガラスを蹴破ろうとするなど、怒とうのシーンが続く。

 チェイスは「ウィラは自分自身を見つけようとしている。そして、親子の関係は最初と最後でまったく違うものになっていく」と語り、物語の核心を示唆する。怒とうのチェイスバトルの果てに、父と娘がたどり着く“真実”とは――。


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