エジプトで3000年以上前の城塞発掘 王の名入り容器やパン焼き窯も

2025/10/12 11:48 

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 エジプト観光・考古省は11日、北東部シナイ半島の地中海沿いで古代エジプト・新王国時代(紀元前16世紀~同11世紀ごろ)の城塞(じょうさい)を発掘したと発表した。当時の東部の国境における城塞群の全体像を明らかにするうえで「重要な一歩」だとしている。

 エジプトの発掘調査チームが発見した。

 発表によると、発掘された城塞は広さ約8000平方メートルで、1980年代に近くで見つかった城塞の3倍の大きさだった。これまでに長さ105メートルに及ぶ城壁や11棟の塔、兵舎を囲むように建設された長さ75メートルのジグザグ状の壁などが発掘されたという。

 内部には第18王朝のファラオ(王)の名前が刻まれた容器の一部や、パンを焼く窯などもあり、城塞に駐留する兵士が生活に使用していたとみられている。調査チームは海岸付近に軍港もあるとみて、発掘を続けるという。

 新王国時代は古代エジプト文明が最も栄えた時期で、パレスチナやシリアまで攻め入っていた。アブシンベル神殿などを造営した「建築王」のラムセス2世や、黄金のマスクで知られるツタンカーメン王も新王国時代のファラオだった。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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