岸井ゆきの、恩田陸『ユージニア』実写化でWOWOW初主演 17人毒殺事件に翻弄される女性役

2026/08/03 08:23 

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岸井ゆきの主演、WOWOWオリジナルドラマ『ユージニア』11月8日より放送・配信決定 (C)WOWOW

 作家・恩田陸のミステリー小説『ユージニア』が、岸井ゆきの主演で実写化されることが決定した。全6話のWOWOWオリジナルドラマとして、11月8日より毎週日曜午後10時より放送・配信される(全6話)。岸井がWOWOW作品で主演を務めるのは今回が初めてとなる。

【画像】恩田陸『ユージニア』(原作書影)

 原作は、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞した恩田が2005年に発表し、第59回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)に輝いた傑作ミステリー。国内累計発行部数は38万部を記録し、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、韓国語の6言語に翻訳されている。

 2020年には米ニューヨーク・タイムズ紙の「今年の100冊」に選ばれ、2022年にはドイツ犯罪小説賞の国際部門で1位を獲得するなど、海外でも高い評価を受けてきた。刊行から約20年を経て、世界で初めて映像化される。

 物語の発端となるのは、北陸のK市にある名家で17人が死亡した、中大垣町大量殺人事件。第一発見者で事件を題材にした作品を書いた小説家、生き残った盲目の少女、事件を追うライターら関係者が、30年を経てもなお事件の記憶に翻弄され、人生を狂わされていく姿を描く。

 岸井が演じる主人公・雑賀満喜子は、11歳の時に事件の最初の目撃者の一人となった女性。のちに事件の経緯を卒業論文としてまとめ、小説『忘れられた祝祭』として出版してベストセラー作家となる。ある人物から受けた影響により、話す相手や状況に応じて声色や話し方を自在に変える人物でもある。

 ドラマでは、20代だった1980年代に事件の関係者から話を聞いて回る満喜子と、40代になった2000年代にライターから事件の真相を問われる姿を描き、岸井が30年にわたる変化を一人で演じる。解禁された役写真には、どこか謎めいた表情を浮かべる満喜子の姿が収められている。

 脚本を担当するのは、ドラマ『きのう何食べた?』『おかえりモネ』などを手がけた安達奈緒子。岸井とは『お別れホスピタル』シリーズに続くタッグとなる。安達は原作について「読者や視聴者を、“傍観者”という安全な場所から引きずり出す物語」と表現。「自分が見たものが、見たまま真実だと言い切れるのか、物語が進むにつれて分からなくなってしまう。そのそれぞれの“体験”を映像にする。大変な挑戦だと思います」とコメントした。

 中学生の頃から恩田作品を読んでいたという岸井は、出演について「オファーはとてもうれしく、同じくらいのプレッシャーもありました」と告白。「安達奈緒子さんの脚本だと聞き、いつも多角的に世界を描いていく安達さんとなら、この物語に一緒に飛び込めるかもしれないと感じました」と全幅の信頼を寄せる。

 満喜子を演じる上では「話す人や、その時の気持ち、状況によって話す速度やイメージが変わる役だったので、シーンとシーンのつながりを気にせずお芝居をするのは新鮮でした」と説明。「記憶されたものと記録は同じものではないかもしれません。ぜひ楽しんで観ていただければ幸いです」と呼びかけた。

 メイン監督は、映画『金子差入店』(2025年)で長編デビューした古川豪監督が務め、『東京サラダボウル』(25年)、ディズニープラス『ガンニバル』(22年~)などに参加した川井隼人監督もメガホンを取る。

 原作者の恩田は「2005年の刊行以来、海外からも含め映像化のオファーはいろいろいただいていたのですが、刊行20年の節目に映像化が決まったのは、完全版が出たこともあり、感慨深いものがあります」と喜びを語り、「映像版は、また一つの新たな『ユージニア』になっていると思います。素晴らしい脚本とキャストに恵まれ、私も皆さんと一緒にワクワクしています」と期待を寄せた。

 本作は、WOWOWにとって恩田作品初の映像化となり、安達の脚本、古川の監督、岸井の主演もそれぞれ同局作品では初めて。4つの“WOWOW初”がそろう。

■岸井ゆきの(雑賀満喜子 役)コメント
――本作の主演が決まった時の印象
 恩田先生の小説は中学の頃から拝読していたので、オファーはとてもうれしく、同じくらいのプレッシャーもありました。安達奈緒子さんの脚本だと聞き、いつも多角的に世界を描いていく安達さんとならこの物語に一緒に飛び込めるかもしれないと感じました。

――実際に演じて
 話す人や、その時の気持ち、状況によって話す速度やイメージが変わる役だったので、シーンとシーンのつながりを気にせずお芝居をするのは新鮮でした。

――視聴者へのメッセージ
 人生は選択の連続であるはずなのに、自分の意思とは別に、巻き込まれてしまった、つまり運命にもたらされた現実の中でそれぞれがどう生きるかの軌跡だと感じます。記憶されたものと記録は同じものではないかもしれません。ぜひ楽しんで観ていただければ幸いです。

■恩田陸(原作者)コメント
――「ユージニア」の映像化が決まった時の気持ち
 2005年の刊行以来、海外からも含め映像化のオファーはいろいろいただいていたのですが、刊行20年目の節目に映像化が決まったのは、完全版が出たこともあり、感慨深いものがあります。

――視聴者へのメッセージ
 映像版は、また一つの新たな『ユージニア』になっていると思います。素晴らしい脚本とキャストに恵まれ、私も皆さんと一緒にワクワクしています。

■安達奈緒子(脚本)コメント
――視聴者の皆様へのメッセージ
 脚本の大筋ができた頃、恩田陸先生にお目にかかる機会をいただきました。この難解であるがゆえに取り憑かれてしまう物語の“正解”が掴みたくて、わたしはすがる思いでさまざまお尋ねし、恩田先生はそのすべてに丁寧に答えてくださいました。でも先生は“わかりやすい正解”を絶妙に回避されていたように思います。
 『ユージニア』は読者や視聴者を、“傍観者”という安全な場所から引きずり出す物語だと感じています。否応なく事件に巻き込まれ、自分が見たものが見たまま真実だと言い切れるのか、物語が進むにつれてわからなくなってしまう。そのそれぞれの“体験”を映像にする。大変な挑戦だと思います。けれどわたしは、この物語の駆動である満喜子が掴んだ、満喜子だけの“真実”を見てみたいと思いました。
 岸井ゆきのさんが、その身体を通じて満喜子の体験を紡ぎ出してくださっています。「真実を知っているのはわたしだけ」という陶酔感に一緒に浸っていただけたらと思います。

■古川豪(監督)コメント
――視聴者の皆様へのメッセージ
 世界的ベストセラー小説の実写化に携わらせていただけたこと大変光栄です。恩田陸先生が作り上げた唯一無二の世界観、ページをめくる手を止められないあの感覚を大切に、岸井ゆきのさんはじめ豪華キャスト陣、大切なスタッフたちとともに作りました。ぜひよろしくお願いいたします。

■山田雅樹(WOWOW/コンテンツプロデュース局ドラマ制作部 チーフプロデューサー)コメント
――視聴者へのメッセージ
 『ユージニア』を初めて読んだ時、読み終えた後も何かが心にくすぶり続け、まさに、それが原作世界の澱のようになかなか離れてくれませんでした。美しい過去の記憶の情景の中に描かれた事件。「誰がやったのか」ではなく「なぜ人はこの事件に狂わされ損なわれ続けるのか」という問い。そして、読者自身が物語に「参加している」ような感覚ー
 原作出版のKADOKAWAの小寺プロデューサーにお声がけいただき、角川大映スタジオのご協力のもと、脚本に安達奈緒子さん、古川豪監督、そして、主演に岸井ゆきのさんを迎え、「この作品はこれまでにないドラマになる」という確信がありました。本作の原作『ユージニア』は、米・ニューヨーク・タイムズ、英・ガーディアン、ドイツ・ミステリー界をはじめ、6言語に翻訳され、世界中で読まれてきた物語です。その傑作が、いよいよ映像になります。事実を超えた真実で、どうか震えていただけたら幸いです。
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