仏英首脳が会談 ウクライナへの揺るぎない支援、継続で一致
フランスのマクロン大統領は11日、訪仏中のスターマー英首相とパリで会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対して揺るぎない支援を継続することで一致した。またマクロン氏は、米大統領選でのトランプ前大統領の勝利を受け、欧州が独自に安全保障を強化することを呼びかけた。
仏大統領府の声明によると、両首脳はウクライナ情勢をめぐり緊密に連携していくことを確認。ロシアによる侵攻を阻止するため、ウクライナを可能な限りの期間、揺るぎない形で支援すると強調した。
英首相府も、ウクライナの防衛が会談の最重点項目だったとし、「冬期に向け、ウクライナの状況をいかに強化できるか協議した」との声明を出した。
トランプ氏はウクライナ危機の早期終結を訴えており、ロシアのプーチン大統領と7日に電話協議したと報じられた。欧州では停戦交渉において、ウクライナが領土の割譲など不利な条件を強いられるのではないかと懸念されている。
フランスのバロ外相は11日、パリで開催された平和フォーラムで、「いかなる和平に向けた動きも、ウクライナ政府が和平交渉の時期や条件を自ら決めることを保証しなければならない」と述べ、ウクライナが「蚊帳の外」に置かれたまま、米露主導で交渉を進めないようくぎを刺した。
一方、トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)の防衛支出の6割以上を米国が負担していることに繰り返し不満を表明しており、加盟国の防衛費の国内総生産比を3%に引き上げるよう求めたり、2%に満たない加盟国は「守らない」と発言したりするなど揺さぶりをかけている。
マクロン氏は米国に依存しない欧州独自の防衛協力の強化を訴えており、大統領府によると、「欧州特有の利益と責任を主張する必要がある」と述べた。
平和フォーラムではフィンランドのバルトネン外相が「ロシアの脅威はウクライナに限ったことではなく、人類の生存に関わる」と述べるなど、米国の関与低下を念頭に、加盟国の危機感が高まっている。【ブリュッセル宮川裕章】
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