タリバン、女性の居住スペース面した窓の建設禁止「危害防ぐため」

2025/01/02 20:29 

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 アフガニスタンを支配するイスラム主義組織タリバン暫定政権は、民家を建設する際に、隣家の台所など女性が過ごすことが多い場所に面した窓の設置を禁止する布告を出した。「女性に危害が及ぶのを防ぐため」としている。タリバンは相次いで女性を巡る規制を発表しており、国内外で懸念が広がっている。

 布告は、タリバンの最高指導者アクンザダ師の名前で12月28日に発表された。家を建設する際には、隣家の中庭、台所、井戸など女性が過ごすことが多い場所が見える窓を設置してはならないとしている。既に建設された民家については、人の背丈ほどの高さの壁を設けることで視界を遮るべきだとしている。

 また、タリバンは、女性を雇用している国内外の非政府組織(NGO)の活動許可を剥奪するとする通達も12月29日に出した。タリバンは2022年12月末に国内外のNGOに対して女性職員の出勤を停止するように命じており、今回の通達によって規制を強めた形だ。

 アフガンでは女性が親族以外の男性と接触するのを避ける慣習がある。タリバンが22年末に女性職員の出勤を停止した後、一部のNGOは、女性職員を事務所には出勤させず、支援先の家庭に直接向かうなどの対策をとって活動を続けていた。今後はこうした活動も難しくなるとみられる。【ニューデリー川上珠実】

毎日新聞

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