USスチール問題は「日米同盟に影響なし」 エマニュエル駐日大使

2025/01/09 20:49 

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 近く退任するエマニュエル駐日米大使が9日、帰国を前に大使公邸で記者団の質問に答えた。日本製鉄の米鉄鋼大手USスチールの買収中止をバイデン大統領が命じたことについて「日米同盟は一つの商取引よりも強固だ。(この問題で)同盟がおかしくなることはない」と述べ、日米関係全体への影響は限定的との認識を示した。

 同盟関係を重視しないと指摘されてきたトランプ氏が次期大統領に近く就任することに関しては「日本は米議会の民主、共和両党から強固な支持を得ている。そのことを軽く見るべきではない」と述べ、対日関係が悪化するような事態は、予算編成などの権限を持つ米議会が望まないとの考えを強調した。

 バイデン政権下で強化された日米韓の3カ国協力については「3カ国の国益にかなうもので継続されるだろうが、さらに進展するかは分からない」と述べた。

 3年近くにわたる滞在を「日米関係が再活性化する時期だった」と振り返り、「日本の国民、文化、社会には称賛の言葉しかない。すばらしい経験をし、非常に多くを学んだ。日本は私の心を射止めた」と語った。【古本陽荘】

毎日新聞

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