韓国地裁、大統領巡る新たな令状を発付 尹氏の拘束を継続

2025/01/19 04:07 

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 韓国のソウル西部地方裁判所は18日、内乱などの容疑で15日に逮捕された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の拘束継続を認める令状を発付した。尹氏を逮捕した高官犯罪捜査庁(高捜庁)が17日に請求していた。これにより尹氏の拘束は起訴まで最長20日間、継続するとみられる。

 同地裁で18日に開かれた令状審査は午後2時過ぎから午後6時50分まで続いた。尹氏自らが出席し、約45分にわたり意見を述べた。「非常戒厳」の宣布は正当な行為で内乱罪は成立しないなどとして、令状請求の棄却を求めたとみられる。だがソウル西部地裁は、「証拠隠滅の恐れもある」として拘束の必要性を認めた。

 ソウル西部地裁周辺には尹氏の支持者らが集結し、騒然とした雰囲気となった。

 高捜庁は15日、ソウル西部地裁から発付された逮捕状に基づき尹氏を逮捕していた。48時間以内に拘束継続のための令状を請求しなければ尹氏を釈放する必要があり、高捜庁は17日に請求した。この令状は、日本の刑事手続きの勾留状と類似したもの。

 今後、尹氏に対する当局の捜査は起訴に向けた段階に移る。高捜庁には内乱罪で尹氏を起訴する権限がなく、起訴は検察に委ねる。検察は、令状の期限切れ前に尹氏の起訴の是非を判断する必要がある。高捜庁関係者によると、高捜庁と検察がおおむね10日ずつ尹氏の取り調べをすることで合意したという。

 尹氏は逮捕された15日は黙秘権を行使し、供述を拒否。その後は取り調べ自体を拒んでいる。尹氏の代理人弁護士は、逮捕が不当だとする立場はすでに十分に説明したと主張し、取り調べに応じない意向を示している。尹氏は今後も取り調べに応じない可能性がある。

 検察は、尹氏と共謀した軍幹部らの供述や、警察が押収した尹氏の携帯電話の通話履歴などの証拠に基づき、「内乱の首謀者」と位置づける尹氏の起訴を目指す。

 検察は、尹氏に戒厳令の宣布を提言した金龍顕・前国防相=内乱罪などで公判中=や、戒厳令の実行に関与して内乱罪などで起訴された軍幹部らから、具体的な供述を得ている。軍幹部は、国会議員を議事堂から排除するよう尹氏から電話で直接指示を受けたと証言している。【ソウル福岡静哉、日下部元美】

毎日新聞

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