トランプタワーで抗議デモ パレスチナ人活動家の拘束は「言論弾圧」

2025/03/14 09:09 

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 米東部ニューヨークのマンハッタン地区にある高層ビル「トランプタワー」で13日、イスラエルを批判するパレスチナ人活動家のリーダーが移民・税関捜査局(ICE)に拘束されたことに対する抗議デモが行われた。米メディアによると、ユダヤ系市民ら約150人がビル内で座り込み、活動家の解放やイスラエルへの軍事支援停止を要求した。

 報道によると、拘束された活動家は、パレスチナ人(アルジェリア国籍)のマフムード・ハリルさん(30)。名門コロンビア大の大学院で修士課程を修了し、永住権(グリーンカード)を所持しているが、8日に学生寮で拘束された。

 ハリルさんは、2024年春にコロンビア大で、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻に抗議するデモが起きた際、大学側に対しイスラエルとの関係を絶つよう求める交渉役や広報役を務めた。

 親イスラエルの姿勢が目立つトランプ大統領は当時からデモに批判的で、参加者を米国から追放すべきだと発言。ホワイトハウスのレビット報道官は今月11日の記者会見で、ハリルさんがイスラム組織ハマスの「テロリスト」を支持していると主張した。米当局は「米国内での存在や活動が、深刻な外交上の不利益をもたらす可能性がある」として、ルビオ国務長官の権限で永住権の剥奪と国外追放を検討している。

 こうした動きに対し「言論弾圧だ」と批判が上がっており、13日にトランプタワーに集まったデモ隊も「今回の拘束は、抑圧的な権威主義体制によって国が乗っ取られようとしている証拠だ」などと訴えた。デモ参加者のうち約100人が、不法侵入などの容疑で警察に拘束された。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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