パレスチナ解放機構副議長にシェイフ氏 アッバス議長の後継候補

2025/04/27 13:58 

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 パレスチナ解放機構(PLO)の執行委員会は26日、新設した副議長職にフセイン・シェイフ氏を選んだと発表した。シェイフ氏はパレスチナ自治政府のアッバス議長の側近として知られ、アッバス氏の後継候補とみられている。

 PLOと自治政府を率いるアッバス氏は89歳と高齢で、健康状態が不安視されている。副議長ポストの設置で、権力の空白が生じる恐れを防ぐ狙いがあるとみられる。AP通信によると、アッバス氏の死去や健康問題で職務の遂行ができなくなった場合は、副議長が暫定議長を務めるという。

 シェイフ氏は、ヨルダン川西岸のパレスチナ人労働者がイスラエルで働く際の許可証の発行の調整などを担当し、イスラエルとのパイプが太いとされる。ただ、自治政府がイスラエルの「下請け企業」と批判される中、シェイフ氏もアッバス氏と同様に住民からの支持率は高くない。

 パレスチナ自治政府は現在、ヨルダン川西岸の一部を統治。自治政府はイスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区の戦後統治に意欲を示しているが、汚職がはびこっているとされ、各国から改革を求められている。また、イスラエルは自治政府のガザ統治に否定的な態度を示している。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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