カナダ西部バンクーバーで２６日夜、群衆に車が突っ込み、９人が死亡した。けが人も多数出ている。地元警察は、運転していたバンクーバー在住の男性（３０）を逮捕したと発表。テロの可能性は否定している。

　ＡＰ通信などによると、事故は２６日午後８時１５分ごろに発生。現場付近では、１６世紀のフィリピンの反植民地指導者の功績を祝う祭りが開かれていた。

　交流サイト（ＳＮＳ）に投稿された動画には、周囲にがれきが散乱し、少なくとも７人が地面に倒れている様子が映っていた。突っ込んだとみられる黒いスポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）が現場に残され、前方が大きく壊れていた。

　祭りに参加していたジャーナリストの男性は地元メディアの取材に対し「突然１台の車が加速して何百人もの群衆に突っ込んだ。まるでボウリングの球がピンに当たり、空中に飛び上がるのを見ているようだった」と証言した。

　カーニー首相はＸ（ツイッター）に「恐ろしい事件に心を痛めている。死傷者の家族、フィリピン系カナダ人のコミュニティー、そしてバンクーバーのすべての市民にお悔やみ申し上げる」と投稿。バンクーバーのケン・シム市長もＸで「悲惨な事件に衝撃を受け、深い悲しみに暮れている」と述べた。【古川幸奈】