民主党のミネソタ州議員ら銃撃、2人死亡 知事「政治的動機の暗殺」

2025/06/15 08:52 

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 米中西部ミネソタ州で14日、民主党所属の州議会議員2人とその配偶者計4人が銃撃され、うち議員1人とその夫の計2人が死亡した。同党のウォルズ知事は記者会見を開き、「政治的な動機に基づく暗殺」との見方を示した。捜査当局は逃走している容疑者の行方を追っている。

 死亡したのは、メリッサ・ホートマン州下院議員とその夫。同州ブルックリンパークにある自宅で銃撃された。また、ジョン・ホフマン州上院議員とその妻も約15キロ離れた同州チャムプリンの自宅で数回銃撃された。ホフマン夫妻は病院に搬送されて手術を受けた。

 当局によると、14日午前2時ごろ、ホフマン氏の自宅で銃撃があったとの通報があり、駆けつけた警察官が負傷した夫妻を発見した。その後、別の警察官が予防措置としてホートマン氏の自宅に向かうと、家から出てくる容疑者と遭遇。銃撃戦となったものの、容疑者は逃走したという。当局は、白人男性のバンス・ボールター容疑者(57)の顔写真を公開し、報奨金を提示して情報提供を呼びかけている。

 ホートマン氏の自宅近くには、警察車両によく似た容疑者の車が止まっていた。防犯カメラなどに映っていた服装なども警察官に似たもので、容疑者は警察官を装って被害者宅の中に入り、銃撃したとみられる。

 車内には、議員らの名前が書かれた「標的リスト」や、この日全米各地で行われたトランプ政権に抗議するデモ「NO KINGS(王様はいらない)」のチラシも見つかったという。当局の指示を受け、デモの主催者は同州内で予定されていたデモを中止した。

 トランプ大統領は声明で、事件に関する報告を受けたとし、「このような恐ろしい暴力は米国において決して許されない」などと非難した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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