馬英九・台湾元総統が訪中 中国共産党ナンバー4と会談

2025/06/15 18:59 

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 台湾の馬英九元総統(国民党)と中国共産党序列第4位の王滬寧(おうこねい)人民政治協商会議(政協)主席が15日、中国福建省アモイで会談した。台湾紙「聯合報」によると、馬氏は「台湾の民衆は両岸(中台)が平和と協力の方向に向かうことを渇望している」と述べ、台湾独立反対を基礎にした協力深化に期待を示した。

 馬氏は14日から訪中し、15日にアモイで開幕した中台の民間交流イベント「海峡フォーラム」に総統経験者として初めて出席した。

 王氏は、馬氏が中台の青年交流を進めていることを「両岸の交流の妨げを排除する手本となっている」と評価。毎年開催されるフォーラムについて「両岸同胞の血のつながりを示すもので、いかなる勢力にも阻止できない」と述べた。

 台湾の頼清徳政権は、このフォーラムを中国による統一工作の舞台とみて警戒を強めている。対中政策を担う大陸委員会は、馬氏の出席を中国の政治操作への協力と見なして「深い遺憾」を表明した。

 馬氏は2008年から2期8年にわたって総統を務め、中国寄りの立場で知られる。退任後は3度訪中しており、24年4月には北京で習近平国家主席と会談した。

 今回は14日から27日の日程で福建省や甘粛省を訪問し、中国の神話に登場する神をまつる行事などに参加。自身の財団で研修を受ける学生らを伴い、現地での交流も予定する。【台北・林哲平】

毎日新聞

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