石破首相、関税交渉合意には「双方の認識一致せず」 日米首脳会談
石破茂首相は16日午後(日本時間17日午前)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開幕したカナダ西部カナナスキスでトランプ米大統領と約30分間、会談した。トランプ政権による自動車関税や「相互関税」の引き下げに向けた協議については合意に至らず、閣僚間の協議を続けていくことで一致した。
会談後、首相は記者団の取材に応じ、トランプ氏と「本当に真摯(しんし)な議論を精力的に続けた」とする一方で「今なお双方の認識は一致していない」と認めた。日米の国益を反映した「パッケージ」での合意を目指しているとし、そこには「至っていない」とも述べた。今後の合意の見通しについても「いつまでにということを申し上げるのは困難」と明言を避けた。
相互関税は全ての国に一律に課す10%と、各国の貿易赤字額などに応じて上乗せされており、日本は計24%。ただ上乗せ分は、7月9日まで発動が停止されている。米政権内からは一部の主要な貿易相手国に対し上乗せ分の停止期間の延長を示唆する声も出ているが、首相は上乗せ分の取り扱いに関し「申し上げられない」とするにとどまり、首脳会談で発動停止の延長に合意できたかどうか説明を避けた。
日本政府はトランプ政権に対し、相互関税の引き下げとともに、自動車にかかる25%の追加関税の撤廃を強く求めている。首相は「自動車は本当に大きな国益だ。国益を守り抜くため、最善の努力を重ねることに尽きる」とし、最大の課題である自動車関税の見直しが難航していることをにじませた。在日米軍駐留経費や対日貿易赤字については「そういう話題は出ていない」とした。
両首脳の対面での会談は今年2月以来、2回目。トランプ政権が自動車関税や相互関税を発動した4月以降では初となる。一連の関税措置の発動後、赤沢亮正経済再生担当相が米国のベッセント財務長官らと関税協議を重ね、サミット直前の13日にも米ワシントンで6回目の協議を行った。現地で赤沢氏は「合意の可能性を探った」としており、カナダでの首脳同士の直接交渉で大きな前進があるかが注目されていた。【カナナスキス田所柳子、バンフ(カナダ西部)古川宗】
◇日米首脳会談後の石破茂首相記者会見のポイント
・「トランプ関税」見直しで合意できず。双方が担当閣僚にさらに協議を進めることを指示
・今後の合意時期は「いつまでにと申し上げるのは困難」
・相互関税発動停止の延長は、米側からの言及含めて「申し上げられない」
・在日米軍の駐留経費や対日貿易赤字は「話題に出ず」
・日米は、自由で開かれたインド太平洋を推進し、日米同盟をさらに強化することを確認
-
G7サミット イラン批判の共同声明 イスラエルには「自国守る権利」
カナダ西部カナナスキスで16日(日本時間17日未明)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の討議が2日間の日程で始まった。サミットの直前に激化したイスラエルとイ…国 際 1時間前 毎日新聞
-
トランプ氏、関税交渉で「日本はタフ」 妥結の「チャンスある」
トランプ米大統領は17日、関税を巡る日本との交渉について「日本はタフだ」と述べた。訪問先のカナダでの石破茂首相との首脳会談については「いい会話ができた。彼は素…国 際 1時間前 毎日新聞
-
インドネシア大統領、G7よりロシア優先か プーチン氏と会談へ
インドネシアのプラボウォ大統領が、招待されていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)を欠席し、19日にロシアでプーチン大統領との首脳会談を行うことを決めた。欧米…国 際 2時間前 毎日新聞
-
トランプ流、過去にも度々G7を翻弄 かねて「時代遅れ」と批判
トランプ米大統領が緊迫する中東情勢への対応を理由に、カナダで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)を16日の初日で離脱した。「米国第一」を掲げるトランプ氏…国 際 3時間前 毎日新聞
-
石破首相、G7で「インド太平洋の安定」訴え 万博外交の成果もPR
石破茂首相はカナダ西部カナナスキスで16日(日本時間17日)に開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)の会合で、中国や北朝鮮を念頭に「インド太平洋情勢は国際…国 際 4時間前 毎日新聞