アフガンでハンセン病診療、今年度再開へ ペシャワール会が報告

2025/06/23 06:30 

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 アフガニスタンで人道支援活動にあたるNGO「ペシャワール会」(事務局・福岡市、村上優会長)は21日、同市内で活動報告会を開いた。2019年に武装集団に襲撃され73歳で亡くなった中村哲さんの遺志を継ぎ、撤退していた現地でのハンセン病診療を25年度内に再開することなどが報告された。

 現地で医療、農業、かんがい事業を展開する実動組織「平和医療団・日本(PMS)」支援室長の藤田千代子さん(66)らが登壇し、PMSが取り組んできた事業を説明した。ハンセン病診療は現地の治安悪化や内戦などの影響を受け、3カ所あった診療所のうち2カ所を現地に譲渡し、残る1カ所でも10年以降に休止されていた。

 藤田さんは「目の前に困っている人がいたら、手を差しのべる。これは普通のことです」という中村さんの言葉を紹介。「ハンセン病の診療について、中村先生は用水路工事のまっただ中でもずっと気にしていた。現地の若いスタッフに技術を伝達できるよう頑張りたい」と語った。

 ペシャワール会は、中村さんのパキスタンでの医療活動を支援するため結成され、現在は中村さんが設立したPMSのアフガニスタンでの事業を支援している。入会や寄付の問い合わせは事務局(092・731・2372)。【竹林静】

毎日新聞

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