米国への報復「間違いない」 対決姿勢のイラン、ホルムズ海峡封鎖も

2025/06/23 06:14 

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 米軍がイランの核施設を攻撃したことを受け、イラン外務省のバガイ報道官は22日、米CNNテレビで、米国への報復は「間違いなく行う」と述べた。イランでは、海上交通路(シーレーン)の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を国会が承認するなど、対決姿勢が強まっている。イラン側の出方次第で紛争が中東各地に拡大する可能性があり、情勢の緊迫は続いている。

 CNNによると、バガイ氏は報復の規模などは明かさなかったが、「今後何が起きても、責任は全て米国とイスラエルにある」と強調した。

 また、イラン最高指導者ハメネイ師の側近、シャムハニ氏も22日、X(ツイッター)で「(核)施設が完全に破壊されたとしても、ゲームは終わらない。濃縮物質(ウラン)はそのまま残っている」と投稿し、「驚きは続くだろう!」と警告した。シャムハニ氏は13日のイスラエル軍の攻撃で死亡したと一時報じられたが、その後、生存が確認された。

 地元メディアによると、首都テヘランでは22日、米国の攻撃に対する抗議デモが起きた。イランは今後、中東の米軍基地などを標的に報復攻撃を行うとの見方が強まっている。

 また、地元メディアによると、イラン国会は22日、ホルムズ海峡の封鎖を全会一致で承認した。最終判断は、大統領が議長を務める最高安全保障委員会が行うという。ホルムズ海峡は原油輸送の要衝であり、封鎖されれば世界経済に大きな混乱が生じる。

 一方、イスラエル軍は22日もイランへの空爆を続け、中部イスファハンや南部ブシェールなど各地でミサイル関連施設などを破壊したと発表した。ザミール参謀総長は「まだ攻撃すべき目標がある。作戦計画にそって攻撃を増やしていく」と語り、軍事作戦を続ける意向を示した。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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