トランプ米大統領は２７日、ホワイトハウスでの記者会見で、イランがウランの濃縮を懸念される水準まで高められると判断した場合、再び空爆に踏み切ると警告した。また自身のソーシャルメディアへの投稿では、イランの最高指導者ハメネイ師が「勝利」を宣言したことについて「うそをつくべきではない」と批判。イランに対して強い姿勢に出ている。

　投稿では、米国がこれまで実施してきた対イラン制裁に関し「ここ数日、制裁解除の可能性や他の措置も検討していた」と明かした。だが、ハメネイ師の声明が「怒りや憎悪」に満ちたものだったとし、制裁緩和に関する「すべての作業」を中止したとした。

　米軍はイランの核施設３カ所を現地時間２２日に空爆した。トランプ氏は会見で、イランの核開発計画が懸念される水準まで高まった場合に空爆を検討するかと聞かれ、「絶対に（そうする）」と明言。イランの核施設に対し、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）や米国が査察を行うべきだとの考えを示した。

　一方で、「イランがすぐに核開発に戻ることはない」と強調。イランは「疲弊している」との認識も示し、米国との協議を望んでいるとも述べた。

　ハメネイ師は２６日のビデオ声明で勝利を主張し、核施設への空爆についても「米国が得るものはなかった」などと語った。

　これに対し、トランプ氏は交流サイト（ＳＮＳ）への投稿で、ハメネイ師が交戦中に潜伏していた場所を正確に把握していたが、イスラエル軍による殺害を容認しなかったと説明。「不名誉な死から私が救った」と主張した。【ワシントン松井聡】