トランプ氏、自動車の貿易赤字に「不公平」 日本に輸入拡大求める

2025/06/30 16:08 

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 トランプ米大統領は29日放送の米FOXニュースのインタビューで、日本に対する自動車分野での巨額の貿易赤字に改めて「不公平だ」と不満を示した。日米関税交渉が7月9日までに不調となれば、今後、米国が日本に課す関税率を示した書簡を一方的に送りつける考えも示した。

 トランプ氏は「彼らが我々の自動車を買わないのに、我々は数百万台を買っている。それは不公平だ」と主張。「我々はそのことを日本に説明し、理解を得た。日本に大きな貿易赤字を抱えていることも彼らは理解している」と述べた。

 貿易赤字を縮小する手段として「彼らは我々の石油を大量に購入できる。他にも買えるものはある」と述べ、日本が米国からの輸入を拡大するよう求めた。

 また、「相互関税」上乗せ分の停止期限である7月9日までに合意できない場合は、多くの国に対してと同様、日本にも関税率を示した書簡を送る可能性があると表明。ただ、内容については「自動車に25%の関税を払うことになるだろう」と現行の関税率を示しただけで、7月9日に上乗せ分の停止を延長するか再発動するかは明らかにしなかった。

 日米関税交渉を担当する赤沢亮正経済再生担当相は27、28日に米ワシントンでラトニック商務長官と協議。自動車関税の撤廃や引き下げを改めて強く求めたとみられる。

 米商務省によると、2024年の米国の日本に対する自動車貿易(部品含む)赤字は約530億ドル(約7・6兆円)。日本への輸出額(約23億ドル)を日本からの輸入額(約553億ドル)が大きく上回っている。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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