サラ・ドゥテルテ副大統領への弾劾訴追 フィリピン最高裁が無効判断

2025/07/25 20:15 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 フィリピン最高裁は25日、サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追を無効とする判断を下した。サラ氏はドゥテルテ前大統領の長女で、2028年の大統領選で有力候補と目されている。

 サラ氏は副大統領府機密費の使い道や、マルコス大統領夫妻らに「殺し屋を雇った」などと発言したことを巡って告発され、今年2月に下院が弾劾訴追案を可決した。今夏にも上院での弾劾裁判が始まる予定だったが、サラ氏側が最高裁に弾劾裁判の差し止めを求めていた。

 最高裁は今回、サラ氏の弾劾訴追が、1年間に複数回の弾劾手続きを禁じる憲法に違反していると判断した。サラ氏に対しては今回の告発以前にも、下院で既に別の3件の告発があったため手続き自体を無効とした。

 最高裁広報官は記者会見で「今回の判断が容疑の免責を意味するわけではない」とした上で、少なくとも来年2月までは弾劾訴追案は再提出できないと指摘した。

 今年5月に行われたフィリピンの中間選挙では、サラ氏とマルコス大統領の確執が焦点となり、サラ氏陣営が想定を上回る議席を獲得し、勢い付いていた。【バンコク国本愛】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース