ホーバークラフトの定期便運航開始 国内唯一 大分空港と市内結ぶ

2025/07/26 17:06 

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 水陸両用船「ホーバークラフト」で大分空港(大分県国東市)と大分市中心部を海上ルートで結ぶ定期便の運航が26日、始まった。ホーバーによる定期航路は国内唯一。同航路は2009年まで運航されており、16年ぶりの復活となる。

 ホーバーは、ファンなどで空気をためた船体下部の「スカート」から空気を勢いよく噴き出して船体を浮かせ、船尾のプロペラで水上でも陸上でも自由に走れる乗り物。船体が浮いているので水の抵抗がなく、船よりも高速で進める。

 今回の航路は西大分発着場―大分空港間の約33キロを最高時速80キロで走り、所要時間は約35分と陸路よりも約30分短縮。当面は1日4往復計8便を運航する。運賃はスマートフォンの事前決済で大人2000円、子ども1000円、現地での支払いは大人2500円、子ども1250円となっている。

 第1便となる始発の1往復は定員80人が満席となった。大分空港発の便を利用した女性(49)=東京都新宿区=は鹿児島への旅行途中、第1便に乗るために利用したといい「意外と揺れなくて快適」と笑顔。国東市の実家に帰省し、家族3人で乗った大学教員、内林俊洋さん(42)=福岡市博多区=は「2歳の息子がぐっすり眠るぐらい静か。とても速いし、大分の新しい観光資源として期待できるのでは」と話した。

 同航路は1971~09年、ほぼ同じルートで運航されていたが、当時の運営会社が経営難などで撤退していた。今回はタクシー最大手の第一交通産業(北九州市)の子会社「大分第一ホーバードライブ」(大分市)が運営。ホーバーは県が所有し、運航を同社に委託する「上下分離方式」を採用している。

 当初は23年度内の就航を目指していたが、操縦士の訓練中に発着場での接触事故などが相次ぎ、計画より1年以上遅れた。先行して24年11月に別府湾の周遊便の運航を始めている。【久保田修寿】

毎日新聞

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