ハーバード大の助成金停止は「違法」 連邦裁判所が執行停止

2025/09/04 08:11 

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 米東部マサチューセッツ州の連邦裁判所は3日、トランプ政権がハーバード大学に対する助成金26億ドル(約3850億円)以上を停止した措置を違法と判断し、執行の停止を命じた。米メディアによれば、ホワイトハウスは上訴する方針を明らかにした。

 ハーバード大は「反ユダヤ主義」への対応強化や多様性推進の取り組み撤回など政権の「改革」要求を拒み、これまでに複数年にわたる26億ドル以上の補助金や契約が停止されていた。ハーバード大は、憲法と行政手続きを定めた連邦法に違反するとして4月に提訴していた。

 バロウズ判事は判決で大学側の主張を大筋で認め、「(政権側は)反ユダヤ主義を煙幕として使い、この国の一流大学を標的に、イデオロギーに動機づけられた攻撃をした」と結論づけた。また、助成金の停止前に大学の「反ユダヤ主義」に関する証拠をほとんど集めていなかったとも指摘し、政権側の決定は「専制的かつ気まぐれ」だとした。

 トランプ政権は助成金の停止とは別に、ハーバード大の留学生の受け入れ資格を剥奪したが、同裁判所はこれまでに一時差し止めを命じている。

 米国の有名大学ではトランプ政権の圧力に屈し、助成金凍結の解除などと引き換えに政権の意向に沿った「改革」を進める例が相次いでいる。米メディアは、数ある大学の中で唯一裁判で争っているハーバード大と政権側が「和解」交渉を進めていると報じていた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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