「明日に向って撃て！」「華麗なるギャツビー」など多くの作品で知られる米国の映画俳優、ロバート・レッドフォードさんが１６日、米西部ユタ州の自宅で死去した。８９歳だった。ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

　大学中退後、放浪生活を経て演技を学び、ブロードウェーでデビュー。下積みを経て、アメリカン・ニューシネマの代表作となった西部劇「明日に向って撃て！」（１９６９年、ジョージ・ロイ・ヒル監督）に、ポール・ニューマン演じるブッチの相棒サンダンス役で出演。銃の使い手の強盗を軽妙に演じ、注目された。ニューマンとは「スティング」（７３年、同監督）でも、詐欺師コンビで出演。アウトローを演じて人気を確立した。

　整った容姿を生かし、清潔感のある真面目な役柄を多く演じた。学生運動を背景としたラブストーリーの「追憶」（７３年）、実話を基にした社会派作品「大統領の陰謀」（７６年）の新聞記者役など、次々と出演して高い評価を得た。

　８０年には「普通の人々」で監督としてもデビュー。米国の現代の家族を描き、アカデミー賞監督賞を受賞した。監督作に「リバー・ランズ・スルー・イット」（９２年）、「クイズ・ショウ」（９４年）、「モンタナの風に抱かれて」（９８年）などがある。

　インディペンデント映画を中心としたサンダンス映画祭を主催し、若手監督育成にも尽力。環境活動家としても積極的に発言した。

　２０１８年に主演した「さらば愛しきアウトロー」で、俳優引退を宣言。その後「アベンジャーズ／エンドゲーム」（１９年）に顔を出した。