トランプ氏と電話協議の習近平氏「一方的な貿易制限避けるべきだ」

2025/09/20 02:18 

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 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は19日、電話協議を実施した。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の米側への譲渡を巡って、解決していく方向で合意した。中国国営新華社通信が伝えた。

 新華社によると、19日の電話協議で習氏はティックトックについて「中国政府は企業の意向を尊重し、企業が市場のルールに基づいてビジネス交渉を行い、中国の法律や規則、利益のバランスに沿った解決策に到達することを歓迎する」と述べた。

 トランプ氏は協議終了後、自らのソーシャルメディアへの投稿で「貿易、フェンタニル問題、ロシアとウクライナ、ティックトックの取引の承認など多くの重要な問題について進展があった」と述べた。

 米国では2024年、ティックトックを運営する中国IT大手「字節跳動(バイトダンス)」に米国事業を期限内に売却しなければ米国内での事業を事実上禁止するとする法律が成立。トランプ氏は25年1月の大統領就任以来、若者に人気のティックトック事業継続のため、売却期限の延期を繰り返し、米中両国で協議を進めてきた。

 トランプ氏は首脳協議に先立ち、今月16日に売却期限をさらに12月16日まで延期する大統領令に署名した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米事業の売却先として、オラクルや投資会社などによる米企業連合が80%の株式を所有する米法人の設置が検討されているという。

 米中両国を巡っては、互いにかけ合う追加関税の一部停止措置が11月10日に期限を迎える。また、双方の国の企業への制裁措置も続いている。19日の協議で習氏は「米国は(これまでの米中)協議を通じて両国が達成した成果に影響を与えないように、一方的な貿易制限を避けるべきである」とクギをさした。

 一方、習氏は「中米関係は非常に重要だ」として協力していくことの必要性を指摘。対話を継続していく方針を確認した。トランプ氏は協議終了後、自らのソーシャルメディアで10月末に韓国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で習氏と対面で首脳会談を行うと明らかにした。【北京・松倉佑輔】

毎日新聞

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