スラムダンクの「聖地」で観光公害防止の実証実験 その効果は

2025/09/20 08:45 

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 神奈川県鎌倉市は、オーバーツーリズム(観光公害)が問題になっている江ノ島電鉄鎌倉高校前駅近くの踏切周辺で、13~16日に実施した秩序維持のための実証実験の結果(速報)を発表した。

 踏切周辺は人気アニメ「スラムダンク」で光景が取り上げられた有名スポット。車や徒歩の外国人観光客らが撮影のために道を塞ぎ、交通渋滞やごみの不法投棄などが相次いでいる。実証実験では、近くの高台にある腰越ラッコ公園の植栽を撤去して撮影エリアを設置。ごみ箱も用意し、市職員らが観光客らを公園に誘導した。

 市によると、13~16日の撮影エリアの利用者は計9490人だった。公園のごみ箱に捨てられた同期間の量は、燃えるごみ5袋(約7キロ)▽ペットボトル6袋(約5キロ)▽缶1袋(約0・2キロ)▽瓶0・5袋(約0・3キロ)。合計で12・5袋(約12・5キロ)に上った。誘導先を設けることで、渋滞やごみの問題が軽減する可能性が浮かんだ。

 市観光課の担当者は「近隣住民から『道が通りやすくなった』という声をもらうなど効果はあった」と話している。実証実験後はごみ箱は撤去され、警備員の数も減ったが、公園の植栽は撤去されたままになっている。【福沢光一】

毎日新聞

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