米カリフォルニア州連邦地裁、政府閉鎖中の職員削減に差し止め命令

2025/10/16 19:27 

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 米西部カリフォルニア州の連邦地裁は15日、トランプ政権が連邦政府の予算失効を理由に進める政府職員の大幅な削減を差し止める命令を出した。政権は職員の大量解雇をちらつかせ、当面の政府運営資金を手当てする「つなぎ予算案」成立への協力を拒否する民主党に圧力をかけていた。今回の司法判断でそのような目算が狂う可能性がある。

 地裁判事は、政権の人員削減計画について「対立政党を処罰する手段として政府閉鎖中に一般職の公務員を解雇することは極めて異例だ」と指摘。その上でトランプ大統領が自身のソーシャルメディアの投稿などでそのような意図を公言していると認定し、人員削減の一時的な凍結を命じた。訴訟は政府職員の労働組合が起こしていた。政権側は上訴するとみられる。

 政府職員の削減計画を主導するホワイトハウスのボート行政管理予算局長は地裁判断前に配信された15日のポッドキャストの番組で、人員削減が1万人を超える可能性があると強調。「政府閉鎖中の人員削減を継続していきたい。米国の納税者のために積極姿勢を維持することが重要だ」と意欲を語っていた。

 トランプ政権は10日に職員4000人以上を対象とした人員削減を開始したと表明。トランプ氏は「多くは民主党系だ」とし、民主党の重視する政策の関連機関が中心になると明らかにしていた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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