トランプ氏、クリスマスまでの合意目指す ウクライナに譲歩要求

2025/12/10 08:36 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ロシアによる侵攻を巡り、トランプ米大統領は9日に公開された米政治専門メディア「ポリティコ」のインタビューで、「ウクライナは負けている」と述べ、ウクライナ側が和平交渉で譲歩する必要性を強調した。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、米側は6日にウクライナ側と協議した際、「数日以内」に和平案に回答するよう要求。トランプ氏はクリスマス(25日)までの合意実現を望んでいるという。

 トランプ氏は和平交渉を巡って姿勢を二転三転させてきたが、ここに来て再びウクライナへの圧力を強めている。

 トランプ氏は8日に実施されたポリティコのインタビューで、ロシアとウクライナでどちらが強い立場にいるのか聞かれ、「疑いようがなく、ロシアだ。(ウクライナより)はるかに大きい国だ」と指摘。「ロシアとの交渉は簡単ではない。ロシアは常に優位に立ってきたからだ。一般的には、ある時点で規模が大きい方が勝つ」と述べた。

 ウクライナが多くの領土を失っているとの認識も示し、「負けているのだから、物事を受け入れ始めなければならない」とも主張した。

 また、戒厳令下のウクライナで延期されている大統領選を念頭に「選挙を行う重要な時期だと思う。彼らは選挙をしないために戦争を利用している」と主張。「彼らは民主主義について語るが、もはや民主主義ではない段階に来ている」と話した。

 FTによると、米国のウィットコフ中東担当特使らは6日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議した際、ウクライナの領土の割譲と引き換えに、ロシアの再侵攻に備えた「安全の保証」の提供を含む和平案について「数日以内」に回答するよう求めた。

 これに対し、ゼレンスキー氏は支援を受ける欧州側と協議する時間が必要と説明。8日以降、英独仏の首脳らと会談し、和平案の修正について協議している。

 和平案を巡っては、領土問題に加え、ウクライナが求める「安全の保証」が焦点となっている。

 ロシア側はウクライナ東部2州の割譲を要求し、ウクライナは拒否する構えを示してきた。ウクライナは米側に「安全の保証」を求めているが、米側がどの程度関わるのかは判然としない。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

国際

国際一覧>