タイ・カンボジア国境地帯、緊張高まる トランプ氏が再び介入か

2025/12/10 18:31 

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 タイとカンボジアの国境紛争は10日も衝突が続き、双方で多くの住民が避難を余儀なくされている。国境地帯では7日から銃撃戦が起きるなど緊張が高まり、タイ軍はこれまでに少なくとも兵士4人が死亡したと発表。カンボジア国防省も10日正午時点で民間人7人が死亡したとしている。米国のトランプ大統領が10月下旬に仲介した和平合意の履行再開は遠のいている。

 衝突の激化を受け、トランプ氏は再び仲介役に乗り出す姿勢を見せる。ロイター通信によると、トランプ氏は9日に東部ペンシルベニア州で開いた集会で「私以外の誰がタイとカンボジアに戦闘を止めるよう言えるのか」と述べ、10日にも両国首脳に電話する方針を明らかにした。

 一方、タイ外務省は10日の記者会見で「タイ国民の安全が確保されないかぎり、現時点ではいかなる協議にも応じられない」と主張した。地元メディアによると、国境地帯にある小中高校など約1200校が戦闘に巻き込まれるのを避けるため休校しているという。

 両国は7月にも武力衝突し、米国やマレーシアの仲介で停戦に合意した。しかし、11月に入ってタイ軍兵士が地雷によって負傷したことを受けてタイ側が合意の履行を一時停止した。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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