イラン攻撃で米兵犠牲 米議会からは「撤収」案 MAGA派に亀裂も

2026/03/02 18:23 

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 「無謀な決定でこれ以上、米国人の英雄たちが死ぬ必要はない。大統領を抑制するために議会は行動しなければならない」

 米軍のイラン攻撃を巡り、民主党下院トップのジェフリーズ院内総務は1日、こう述べた。イランの反撃により米兵に犠牲者が出たことに危機感をあらわにし、トランプ大統領の軍事行動に米議会が制限をかけるべきだと主張した。

 米連邦議会では共和、民主の超党派の一部議員が、イラン攻撃に関する決議案を提出している。米憲法上、宣戦布告の権限は大統領ではなく、連邦議会にある。これを根拠に、議会の承認が得られなければイラン攻撃から米軍を撤収させる内容だ。

 ただ元々、米議会では与野党を問わず対イラン強硬派が多い。今回の最高指導者ハメネイ師の殺害を高く評価する声も多く、共和党では大半が米政権の軍事行動を支持している。民主党でもフェッターマン上院議員ら一部が決議案への反対を表明しており、可決の見通しは立っていない。

 ルビオ国務長官やヘグセス国防長官らは3日に議会での説明を予定しており、議員たちの理解を取り付けたい考えだ。

 ◇「米国第一」支持者は拒否感

 一方、トランプ氏の熱心な支持層「MAGA(マガ=米国を再び偉大に)」派では亀裂が生じている。元々、「米国第一」の理念を支持して海外での戦争関与に拒否感が強く、一部が猛反発している。

 トランプ氏に近い論客のタッカー・カールソン氏は2月28日、米ABCニュースに対し、イラン攻撃は「不快で邪悪だ」と痛烈に批判し、トランプ氏の政治運動に大きな影響を及ぼすとの見方も示した。

 昨年にトランプ氏とたもとを分かった元共和党下院議員マージョリー・グリーン氏は米兵の犠牲が「絶対に不必要だったし受け入れられない」と批判。トランプ氏を「最悪の裏切りだ」と酷評している。

 米政治メディア「ポリティコ」が1月16~19日に実施した世論調査によると、MAGA派を自認する共和党支持者のうち61%がイランへの軍事行動を支持していた。トランプ氏がベネズエラの反米左派、マドゥロ大統領を拘束する1月の軍事作戦で米兵の死者を出さずに短期的に終わらせたこともあり、イランについても犠牲を最小限にとどめながら一定の成果を上げれば「米国第一」の行動として評価される可能性がある。

 米国は過去にアフガニスタンやイラクで体制転換を目指して軍事介入し、紛争が長期化し深刻な教訓を残した。もしイランへの関与も長期化して犠牲が拡大すれば、米国内でトランプ政権への不満が広がる恐れがある。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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