米イラン、ホルムズ海峡再開条件に停戦協議か イランは要請否定
米ニュースサイト「アクシオス」は1日、米国とイランが、イランが事実上封鎖するホルムズ海峡を再開させることと引き換えに停戦する可能性について協議していると報じた。米当局者3人の話としているが、両国が直接協議しているのか、仲介者を通じた協議なのかは不明で、停戦合意に至るのかも不透明だという。
アクシオスなどによると、バンス米副大統領が3月31日にパキスタンの仲介者を通じてイランに対し、海峡の再開を含む米国の要求が満たされれば停戦に応じる用意があると伝えたという。
トランプ米大統領も1日、自身のソーシャルメディアで「イラン新体制の大統領が米国に停戦を求めてきた」と主張し、ホルムズ海峡が開放されれば停戦要請を検討すると述べた。「大統領」の名前は明らかにしていない。
だがイラン外務省の報道官は1日、国営テレビで、停戦要請について「虚偽で根拠がない」と否定。イラン革命防衛隊も、海峡を完全に支配下に置いていると強調した上で「敵に開放されることはない」とはねつけた。イランは米国と直接交渉していることを否定し続けている。
トランプ氏は1日の投稿で、海峡が開放されるまでは「イランを徹底的にたたきのめす」と圧力もかけたが、31日には「海峡で何が起ころうとも関与しない」と述べて海峡開放にこだわらない姿勢も示唆しており、矛盾が見られる。
アクシオスは、トランプ氏が言及した停戦要請について、イランのペゼシュキアン大統領が31日の欧州連合(EU)のコスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)との電話協議で、再攻撃を受けないという保証があれば「戦争を終わらせる確固たる決意がある」と述べた発言を指している可能性があるとも指摘した。
一方、ペゼシュキアン氏は1日夜、米国民に向けた書簡を公表した。
「イラン国民は米国や欧州、近隣諸国の人々を含む他国に敵意を抱いていない」と説明した上で、イランの「脅威」は軍需産業維持などのためにイスラエルが作り出したと主張。昨年6月と今回、イランの核開発を巡る米国との協議が続く中で攻撃を受けたことへの不信感を強調し、「この戦争は米国民の利益に資するのか」と疑問を呈した。
トランプ氏が1日午後9時(日本時間2日午前10時)から予定している米国民への演説を前に、イランの苦境を訴える意図とみられるが、停戦交渉には触れていない。
一方で交戦は1日も続いた。米イスラエルは、イラン各地の製鉄所を含む産業施設などのほか、ホルムズ海峡のゲシュム島にある海水の淡水化施設を空爆した。
イランも、イスラエル国内の米軍機の駐機場所や軍事施設などを弾道ミサイルやドローンで攻撃した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派もイスラエルに弾道ミサイルを撃ち込んだが、迎撃されたという。【ロンドン福永方人】
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