海自艦の台湾海峡通過 「恥辱の日」で中国反発 軍事行動活発化
海上自衛隊の護衛艦が17日に台湾海峡を通過したとして、中国政府が反発を強め、連日の軍事活動で日本をけん制している。中国では17日が中台の分断に関わる「恥辱の日」であり、それが怒りの火に油を注いでいる側面もあるようだ。
台湾を管轄する中国軍東部戦区の発表によると、海上自衛隊の護衛艦「いかづち」が17日午前4時ごろ、台湾海峡に進入し、午後5時50分にかけて通過。同戦区が海と空からこの動きを追跡・監視したという。軍公式アカウントは現場でいかづちを撮影したとする動画を公開した。
この日は、中国では「国恥」と呼ばれる記憶を呼び覚ます特別な意味を持つ。1895年4月17日、当時の清朝が日本へ台湾を割譲する下関条約を結び、日本の植民地支配が始まった。
19日付の中国軍機関紙「解放軍報」は「あえてこの日を選び、中国人民の感情を極めて深く傷つけた。日本の『新型軍国主義』への警戒心を呼び覚ますだけだ」と反発した。
断固とした姿勢を誇示するように中国軍は軍事行動を活発化させている。
東部戦区は18日、東シナ海で軍事訓練を実施。翌19日には、同戦区の艦隊が奄美大島と横当島の間を通過して西太平洋に展開し、遠洋作戦能力を検証する訓練を行ったと発表した。中国側はいずれも「年度計画に基づくもの」と説明するが、国内でも日本への対抗措置との受け止めが広がっている。
さらに、中国軍の空母「遼寧」が20日に台湾海峡を通過したと台湾国防部(国防省に相当)が発表した。台湾側が公表した画像では、遼寧の甲板上に戦闘機やヘリコプターの姿が確認できた。
中国紙「環球時報」は20日、「日本の『軍事的暴走』のリスクを警戒すべきだ」とする社説を掲載した。台湾有事を巡る高市早苗首相の発言で日中関係が悪化する中、習近平指導部には日本の「挑発行為」とアピールし、自国の立場を正当化する狙いがあるとみられる。【北京・河津啓介】
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