ASEAN首脳会議、異例の単日開催 中東危機対応が焦点に
中東情勢の影響を受け、異例の単日開催となった東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が8日、フィリピン中部セブ島で開かれた。エネルギーの中東依存度が高いASEAN各国は、深刻な燃料高騰や物流混乱に直面している。会議では、エネルギー・食料安全保障の確保や、中東に滞在する出稼ぎ労働者らの支援が主要議題となった。
議長国フィリピンのマルコス大統領は会議冒頭で、「中東危機は、国際秩序や世界経済の変化に対する私たちの経済の脆弱(ぜいじゃく)性を改めて浮き彫りにした」と危機感を強調。その上で、「目先の混乱への対処だけでなく、新たな危機を生じさせないために制度をどう強化するか考える必要がある」と述べ、連携強化を訴えた。
マルコス氏は会議後の記者会見で、緊急時に加盟国間で石油を融通し合う「ASEAN石油安全保障協定(APSA)」の早期発効や、国境を越えて電力を融通する構想について協議したと説明した。食料安全保障メカニズムの強化や、中東地域に滞在する出稼ぎ労働者を保護するための領事協力、情報共有の強化についても意見を交わしたという。その上で、中東危機へのASEANの対応策を示す首脳声明を採択したと発表した。
一方、会議では、4月に親軍政権が発足したミャンマーについても議論された。ロイター通信によると、首脳会議に先立つ7日の外相会議では、近くミャンマー外相とのオンライン会議を実施することで合意した。ASEANは2021年のクーデター以降、軍事政権の主要会議参加を制限してきたが、関係改善を探る動きが出始めた形だ。
マルコス氏は会見で、ミャンマーへのASEANのアプローチに「わずかな変化が生まれている」と述べる一方、「まだ決定的な答えは出ていない」と慎重な見方を示した。【バンコク国本愛】
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