「スターマー降ろし」へ 英与党・労働党、党首選実施へ動き加速

2026/05/15 17:35 

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 英国の統一地方選(7日投票)で大敗した与党の中道左派・労働党内でスターマー首相の辞任を求める声が高まる中、14日、党首選でスターマー氏の交代を目指す動きが加速した。出馬を模索しているとみられるストリーティング保健相が辞任。また、党内外で人気が高い、中部マンチェスターのバーナム市長に出馬の道を開くため、下院議員1人が辞職を表明した。ただ、党首選実施の時期は見通せない。

 党員らが投票する党首選は、下院議員の20%(現在は81人)以上の推薦を得た下院議員の立候補があれば実施される。スターマー氏も辞任しない限りは候補者になる。英メディアによると、党の下院議員403人のうち90人以上が辞任を要求しているが、スターマー氏は受け入れていない。

 ストリーティング氏は保健相辞任と同時に党首選出馬を表明するとの観測もあったが、見送った。中道で穏健右派寄りとも評され、党内左派からの支持は薄い。81人の推薦者を集められていないとの見方もある。

 辞任に際してスターマー氏にあてた書簡でストリーティング氏は「(党の)今後について可能な限り最良の候補者たちが議論する必要がある」と主張。バーナム氏らを含めた党首選を想定している可能性がある。英紙タイムズは「ストリーティング氏は、バーナム氏抜きの党首選は事実上、正当性を欠くと結論づけた」と伝えた。

 一方、穏健左派で元下院議員のバーナム氏は、党勢立て直しのために待望論が根強くあるが、党首選に出馬するには下院議員に返り咲く必要がある。そこで、マンチェスター郊外の選挙区選出のサイモンズ下院議員が14日、辞職する意向を示した。それを受けてバーナム氏もX(ツイッター)に「国家レベルで大きな変革が必要だ」などと投稿し、補選出馬を目指すと表明した。

 ただ、補選の実施までに1カ月以上はかかるとされるほか、統一選で大躍進した右派ポピュリスト政党「リフォームUK」などが議席を奪う可能性も否定できない。同党のファラージ党首はXで「補選を楽しみにしている。リフォームはあらゆる手を尽くす」と決意を述べた。

 そのほか、党首選には左派のレイナー前副首相らが出馬する可能性も取り沙汰されている。レイナー氏は住宅購入に伴う税金の過少支払いが発覚して昨年9月に辞任したが、一定の党員人気を維持している。

 スターマー氏を含め党内での駆け引きが激化する現状に対し、最大野党・保守党のベーデノック党首は14日、「労働党は今、内戦状態にある。誰も国を運営していない」と述べ、国政が停滞していると批判した。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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