「気候対策は国家の義務」国連総会で可決 米、露など8カ国反対

2026/05/21 09:33 

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 国連総会(193カ国)は20日、「すべての国は気候変動対策をとる義務がある」とした国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を「歓迎」する決議案を、日本を含む141カ国の賛成多数で可決した。反対は米国、ロシア、イスラエル、イラン、サウジアラビアなど8カ国で、28カ国は棄権した。

 決議案は、海面上昇などで気候変動の深刻な影響を受ける太平洋の島国バヌアツが主導した。

 ICJは2025年7月に公表した勧告的意見で、気候変動を「地球規模の存亡に関わる問題」と位置づけ、すべての国は将来世代のため、地球の気候を保護する適切な措置を講じる義務があると指摘。対策を怠った国には法的責任も生じ得るとした。勧告的意見に拘束力はないが、国際法上の権威ある決定として尊重されてきた。

 一方、今回の決議は勧告的意見の重要性を確認し、多国間協力の強化と気候変動対策の加速に結びつけることへの決意を盛り込んだ。総会決議にも拘束力はないが、起草したバヌアツや共同提案国には国際社会の総意として、政治的な影響力を持たせる意図がある。

 交渉過程で米国は反対の立場を貫いた。この日の会合では、「環境上の脅威に対する懸念を理解する」と表明する一方、ICJの勧告的意見の「法的な誤り」を主張した。

 グテレス事務総長は決議を歓迎し、「気候変動は最も責任のない人々が、最も高い代償を払う。その不正義を終わらせるべきだ」との声明を発表した。【八田浩輔】

毎日新聞

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